米国とのホットライン、現在「使用されていない」 ロシア
(CNN) ロシア大統領府と米政府の間で危機を緩和するために設置されたホットラインが現在使用されていないことがわかった。ロシアのペスコフ報道官が20日、国営タス通信に明かした。 【映像】ウクライナ侵攻1000日、衛星画像で見る戦争の傷跡 タス通信によると、ペスコフ氏は「ロシアと米国両国の大統領の間には、安全を確保した特別な通信回線がある」と述べた。 この回線は緊急時でもまだ使用されているかとの質問に対し、ペスコフ氏は「使われていない」と答えた。 ロシア大統領府によると、ロシアのプーチン大統領とバイデン米大統領が最後に電話会談を行ったのは2022年2月12日。ロシアがウクライナへの全面侵攻を開始するわずか数日前だった。 両首脳間のホットラインは1963年に設置された。前年に起きたキューバ危機は、旧ソ連(ロシア)と米国の大統領間の迅速で直接的な対話の重要性を浮き彫りにした。 このロシア大統領府の発言の前日にプーチン氏は同国の核ドクトリンを改定。核兵器の使用を検討する基準を引き下げた。改定された核ドクトリンでは、ロシアは核保有国が参加する非核保有国からの侵略行為を同国への共同攻撃とみなすとしている。 この変更は、バイデン政権がウクライナに対し、ロシア領奥地の標的に米国製の長距離ミサイルを発射する許可を与えた後に行われた。米国の決定を受け、ウクライナは19日、長距離ミサイル「ATACMS(アタクムス)」をロシア西部ブリャンスク州に発射した。