いまだ手付かずの場所も…爪痕残る中、寿司店の名物“能登丼”が復活 能登の味求め県外からも客が
メ~テレ(名古屋テレビ)
能登半島地震から半年あまり。先月再び被災地を訪れると、変わらない光景が残る一方で、そこには、名物料理の復活と被災者の笑顔がありました。能登での生活再建のため、歩み始めた被災者の声です。 元日の地震で、震度7を観測した石川県輪島市。観光名所の朝市通り周辺は、火災で住宅や店舗など約240棟、5万平方メートル近くが焼失しました。 地震で倒壊した7階建てのビルはいま…。 「1月下旬、被災して1カ月。その時に見た衝撃。今は、変わらない現実にショックが大きいです」(濱田隼アナウンサー) 街の中は、いまだ手付かずのところが多く残っていました。石川県によりますと、能登半島地震による犠牲者は299人。いまだ2000人以上が避難生活を続けています。
地震から3カ月半後、寿司店は営業を再開
復興が思うように進まない中で、明るい兆しも見え始めています。 穴水町の中心部にある「福寿司」。創業55年の老舗です。店主の松本志郎さんと、明るい笑顔の好美さん。夫婦2人で営んでいます。 「(地震の直後は)道路が走れなかったけど、通れるようになったので、開通したし来てみようかと」(加賀市からの客) 「能登を応援するという意味で、実際に行ってそこでお金を使うというのをしようと思っていて」(加賀市からの客) 「今の言葉聞いたら涙出る。本当に。そういうお客さんたくさんいるから、お客さんのためにも。自分のためだけど、頑張らないといかんと」(福寿司・松本さん) 「能登の味」を求めて、今は県外からも多くのお客さんが訪れるといいますが、「福寿司」も地震で被災し、しばらくは営業ができませんでした。 メ~テレの取材班が初めて訪ねたのは、1月下旬。店の中は…まだ、片付いていませんでした。 「年もとったからね、気持的にはやりたいけど、体がついていけない。大晦日正月1日は休み、2日から始めようと、材料たくさん冷蔵庫に入れていたけど全部ぱぁ。命があったから、やろうという気持ちがあればできるけど、なかなかそこまで整理がつかない」(福寿司・松本志郎さん 今年1月24日) 78歳という年齢から、店の再開には迷いがあったといいますが…。 「ここが私の舞台ですからね、一番気に入ってましたよ」 「割れなかったんですよ、ネタケース」(松本志郎さんと好美さん 今年1月24日) 寿司の「命」であるネタを入れるケースは、割れずに残っていました。昔からのお客さんの声も後押しとなり、地震から3カ月半後、営業を再開しました。