そこのお前!ココナッツ一個には哲学が詰まっているんだぜ!虚無のシム『Coconut Simulator』で明日を夢見たプレイレポ
しかし声が出ることはありません。だって私はココナッツ。口なんてついてるわけがない。物言わぬ皆さんを前に私の思いは虚空に響くばかりで、穏やかなさざなみはそんな虚しさを優しく包んでしかし冷たく拭い去ります。トップ画面から「アーケード」モードを選択しただけなのに、悠久の砂浜に閉じ込められたのは一体何の咎なのか。
そんなとき画面下部にあるSCOREの数字が、1秒につき1ポイントずつ増加していることに気が付きます。この世界で唯一のゲーム要素をついに発見しました。おそらくこのポイントを競い合って誰が一番のココナッツなのか証を立てるのが本作のコアバリューに違いありません。
いよいよ本作をシミュレーションゲームだと言い張れるこの機能を味方につけたココナッツ(筆者のこと)に向かうところ敵なし、さあどうしてやりましょうか!
8分経過
30分経過
…………………………・。
4時間経過……どうもこうもありません。ただ1秒につき1ポイント増加していくだけでした。そのうち成長して椰子の木にでもなんのかと目を凝らして表皮の変化を観察していましたがウンともスンとも言いません。昭和のガンプラだってもうちょっと可動域あったぞ(?)。
マレーシアでは、「ばあちゃんちの裏庭にヤシの木があって、そこで落ちてた実を拾っては割って飲んでた」と友人たちが口を揃えて言うくらいお馴染みな存在でもあるココナッツ。
実際目の前でナイフで器用に割って見せてくれましたが、まあ手慣れてること手慣れてること。日本でいうとこの「田舎のばあちゃんがみかんを送ってくれたの」的な立ち位置でしょうか。炬燵に入って皮を剥くあの感じ。
地域によって郷愁の念を抱く対象が異なるのは面白いものですがどうしましょう、もう話題が尽きました。
リアリスティックモードで本作の真髄を見よ
とりあえず一旦タイトルに戻ったココナッツ。そういえばゲームモード選択時に「リアリスティック」なる項目があったのを思い出しました。もう十分コテンパンにされましたが見ないわけにもいかないのでさっそく選択してプレイ開始。