能登「津波火災」で18棟焼損 東日本大震災以来の発生
能登半島地震で津波が原因の「津波火災」が2件発生し、計18棟が焼損したとみられることが9日、日本火災学会などの調査で分かった。津波火災の発生は東日本大震災以来。今回、死傷者はなかったが、大量のがれきや海面の油で延焼すると消火が難しいとされる。専門家は「津波の規模によっては大きな被害となり得る。消火や避難の方法の検討など、あらためて対策を徹底すべきだ」と警鐘を鳴らす。 津波火災は、家屋や車が押し流されて集積し、燃料や可燃物に引火するなどして起こる。東日本大震災では火災の約4割に当たる159件が津波火災とみられる。 日本火災学会や消防庁によると、能登半島地震で津波が原因とみられる火災は、石川県珠洲市宝立町と同県能登町で発生した。 現場は、津波によって地面から高さ0.6~1.5メートル浸水したとみられる。家屋や車ががれきとなって押し寄せ、漏れた燃料などに電気系統から引火した可能性がある。いずれの現場からも、焼けた車やプロパンガスボンベが見つかった。