取材記事に「ありがてー、ありがてー」…ドラマ『君が心をくれたから』の山田裕貴の“いい人すぎ伝説”
毎週、主人公・雨(あめ)に訪れる悲劇の連打に「不幸のミルフィーユだよ」と視聴者が涙している月9『君が心をくれたから』(フジテレビ系)。主演は永野芽郁(24)と山田裕貴(33)だ。 【画像あり】イメージ変わりすぎ…! 永野芽郁がイタリアで見せた「ド派手金髪」姿 ドラマの舞台は長崎県。高校で出会った二人が、いくつもの障害を抱えながら、社会人になっても愛を育んでいく物語だ。永野演じる逢原雨が交通事故で死んだ朝野太陽(山田)を生き返らせるために“あの世の案内人”に差し出したのは自分の五感。健常者として生きられなくなる雨を、懸命に支える太陽。二人に待つのはどんな未来だろうか……? と、ドラマそのものも注目ではあるが、今回、読者の皆様に共有したい情報は、山田裕貴の人柄について。業界での彼の評判が、すこぶるいいのだ。媒体やSNSのみでしか彼のことを目にしていない、そんな人でも「いい人ですよね」と口を揃えてしまう貴重な人物。そんな彼の愛されぶりについて、考えてみたい。 ◆SNSに宿る“山田裕貴、いいヤツ!”の波 なぜ今回、「山田裕貴はいいヤツ!」というコラムを書くことにしたのか。それは『君が心をくれたから』の初回放送に理由がある。山田は放送をリアタイ(リアルタイム視聴のこと)しながら、自身のX(旧Twitter)でポストをしていた。 これは昨年放送の『だが、情熱はある』(日本テレビ系)で、山ちゃんこと山里亮太(46)が行っていたことに近い。本人がドラマの主人公だったということもあって、山ちゃんはドラマ放送中の1時間、ほぼ1~3分間隔で、内容に沿った中継ポストをしていた。これにファンがタイムライン上で熱狂。いつしかドラマを見る楽しみのひとつになっていた。ドラマに関わった人物が、リアタイでSNS中継に参加してくれるのは、視聴者からすると嬉しいものだ。 さて、『君が心をくれたから』に戻ろう。初回放送の終盤、自分の存在を気づかせようと、太陽が雨のいる方向に爆竹を投げるシーンがあった。この後、 「次会う時、爆竹投げますね!」 と、山田のタイムラインにリプライを投げてきたのは赤楚衛二(29)。彼らは昨年4月放送の『ペンディングトレイン-8時23分、明日 君と』(TBS系)で共演している。それから1年以上経過しているのにSNSでも絡んでくるとは、仲の良さが伺える。しかも二人は今をときめく人気者……。なんだか貴重なものを見てしまった気持ちでXを辿っていくと、山田本人が 「地元の友達も ふくしのそうたも赤楚氏もウエンツさんも『みてるよ』『みましたよ』って みんなめっちゃくちゃ心くれるやん」 と、ポスト。彼と交友関係にある芸能人たちが「山田裕貴が主演だから」とわざわざ月9を視聴するとは……。群雄割拠の芸能界で、それぞれに目標と葛藤を抱えて役を獲得しているはずなのに“敵”を応援するとは予想外のことだった。このSNSのやり取りを眺めながら、エンパワーメントという言葉が浮かんだ。山田裕貴、なんだかすごい人かもしれない。 ◆プロモーションは演者自ら SNSについて、もう少し。彼のXを見ていくと、おそらくハッシュタグで検索をして、自分の出演作、CM、取材を受けた媒体について、ひたすらリポストを続けている。取材をする側の人間からすると、主役が積極的にプロモーションに協力してくれるのは非常にありがたく、うれしい。 たとえば、著名人に取材をする機会があったとしよう。昨今は取材終了時に「ご本人のSNSで告知をしていただけたら嬉しいです」などと、お願いをする場合が多い。そのほうが記事が多くの人の目に留まるからだ。とはいえ、著名人は総じて多忙で、この願いは簡単には叶わない。そんな渦中において、山田裕貴のXの使い方は稀であり、人柄の良さを超えて、自分を取り囲む環境への愛を感じるのは、私だけだろうか。 ちなみに以前、彼は私が書いたコラムをピックアップしてくれたことがある。とあるネット媒体での連載で「山田裕貴は“同窓会にいてほしいイケメン”だ」と、コラムを書いた。その後、やけにネット上でコラムが騒がれていることに気づいて、検索していくと、その先に「ありがてー、ありがてー」とコラムを拡散してくれた彼がいた。 一連の行為をまとめると “エゴサ”だ。ポジティブなイメージの言葉ではない。それでも山田の手にかかると、なんだか前向きに聞こえてくるから不思議である。 ◆横アリが山田愛で埋め尽くされた一日 山田裕貴のSNSをさかのぼっていくと、今年の1月に『山田裕貴のオールナイトニッポンX 横浜アリーナ王におれはなる!』というイベントを、横浜アリーナで行ったことを知る。なんだなんだと、検索を進めていくと、彼が’22年4月から続けているラジオ番組のイベントだとわかった。 1万2千人収容の会場を埋めた満員のファンの前で「彼のためなら」と横アリに駆け付けたDISH// 、Little Glee Monster、勝地涼(37)、赤楚衛二ら豪華ゲストが会場を盛り上げていたらしい。異色のメンツがサッと揃うのは、山田の人間力あってこそ。あらためて「本当にこの人、いい人なんだ……」と、しみじみした。例えるなら、恋愛相談を一番しやすいクラスメイト。激モテをしているわけではないけれど、優しくて、つい話をしてしまう。そんな存在だと思う。 彼が主演を務めている『君が心をくれたから』は、とてもいいドラマだ。山田はちょうど1年前にも月9『女神の教室~リーガル青春白書~』(フジテレビ系)に出演して、冷たい教員を演じていた。今回の役は、本人がそのまま映し出されたような、優しい男性の役で見応えがある。幸か不幸か、どんな最終回を迎えるのか、現時点では予想もつかないけれど、できればハッピーエンドであってほしい。 取材・文:小林久乃 小林久乃(こばやし・ひさの)/エッセイ、コラムの執筆、編集、ライター、プロモーション業など。著書に『結婚してもしなくてもうるわしきかな人生』(KKベストセラーズ)、『45センチの距離感 つながる機能が増えた世の中の人間関係について』(WAVE出版)、『ベスト・オブ・平成ドラマ!』(青春出版社)がある。静岡県浜松市出身。X(旧Twitter):@hisano_k
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