インフルエンザ、熱が下がっても「薬は必ず飲みきって」という理由 薬剤師に聞く服用時の注意点
今シーズンのインフルエンザは全国的に2023年11月から12月にかけて猛威を振るった。2024年1月下旬現在、全国の感染者数は高止まり傾向にある。インフルエンザに感染した大半の人は抗インフルエンザ薬を服用するはずだが、薬にはさまざまな種類があることをご存じだろうか。内服薬、吸引薬などの違いがあり、中にはたった1回で投薬が完了するものも。その特徴や服用時の注意点などを長野県薬剤師会の薬剤課長・大塚修一さんに聞いた。(中島瑞穂) 【画像】タミフルの後発薬のカプセル
4種類の抗インフルエンザ薬が主に処方される
大塚さんは薬の種類について「タミフルなど1日2回の服薬を5日間続ける薬が主流でしたが、薬の開発が進み、1回の服薬で終わるものが登場しました」と話す。国内の医療機関で主に処方される薬には、「タミフル」、「リレンザ」、「ゾフルーザ」、「イナビル」の4種類がある。その主な特徴は以下の通り。 ・タミフル 内服薬=1日2回の服薬を5日間続ける ・ゾフルーザ 内服薬=1回の服薬で完了 ・リレンザ 吸入薬=1日2回の服薬を5日間続ける ・イナビル 吸入薬=1回の服薬で完了
カプセルだけではない「タミフル」
大塚さんによると、県薬剤師会が運営する薬局では、タミフルとイナビルがよく処方されるという。抗インフルエンザ薬の代名詞とも言えるタミフルは、既にジェネリック医薬品(後発薬)も販売されている。そのいずれもカプセル剤、錠剤の他、粉末状のドライシロップがある。ドライシロップは水に溶かしてシロップ状にしても飲めるため、カプセル剤を飲むことが苦手な子どもへの処方が多いという。
タミフル以外でよく処方される「イナビル」
もう一つの「よく処方される薬」(大塚さん)というイナビルは吸引薬だ。専用の容器の中に粉末状の薬が入っており、容器から吸い込んで服薬する。小児、成人のどちらも一回の吸入で投薬が完了する。県薬剤師会運営の薬局では、薬剤師が吸引方法を説明した後、その場で患者に吸入してもらう場合が多いという。大塚さんは「正しく服薬できているか、その後に体調が悪くなっていないかなどを薬剤師が確認している」と話す。