水揚げされたナマコを確認する蓬田村漁協の福井明彦組合長＝8日、蓬田村

　今シーズンのナマコ漁が1日から陸奥湾で解禁となり、冬にかけて本格化する。蓬田村漁協では8日、潜水士1人が漁に出て約160キロを水揚げした。中国の禁輸措置の影響が続いており、価格は昨年より安くなっている。 　同漁協のナマコ漁はこの日が3回目。午前と午後の3回に分けて潜水士が蓬田漁港の沖合1キロの海底に潜り、水揚げした。価格は入札で1キロ当たり約3千円。昨年より千円ほど安く、禁輸措置前の半値ほどとなっているという。 　蓬田村漁協の福井明彦組合長（60）は「もっと高値で買ってほしいが残念。ナマコの品質はいい。冬になり寒くなればもっと身が締まっておいしくなる」と話した。 　一方、「横浜なまこ」のブランドで知られる横浜町漁協は事前の試験操業で資源量が少なく、10月のナマコ漁の見送りを決めた。同漁協は2022年の漁期を通じて、資源管理のため漁を中止。今年は価格の状況をみながら11月以降に数回程度ナマコ漁を行う予定だ。 　横浜町漁協の二木春美組合長（70）は「ナマコの生産量は年々少なくなっている。中国の禁輸措置の影響で価格も下がっている。資源管理を重視しながら少しでも高い価格で流通できるよう、時期をしっかり見定めて漁に臨みたい」と語った。