“家族旅行”報道 舛添都知事「ホテルで会議した」政治活動と説明
東京都の舛添要一知事は13日、定例記者会見で、週刊文春が報じた政治資金の流用疑惑について釈明した。一部の飲食代については個人的に使用した飲食代が収支報告書に記載されていた事実を認め、陳謝した。一方で、政治資金で家族旅行をしたとの報道については、家族と宿泊したことは認めたものの、部屋で2012年総選挙結果や2014年の都知事選出馬への対応で事務所関係者らと会議を行なったとして、「政治活動だ」との認識を示した。 【中継録画】舛添都知事が会見 政治資金疑惑について説明
一部の私的飲食代の計上認める
週刊文春は5月19日付号で、「舛添都知事 血税タカリの履歴」と題した記事を掲載。現在公開されている舛添知事の3つの政治団体の収支報告書を精査した結果、千葉県内のホテルに支出した37万円が家族旅行に流用された疑いがあるなど、さまざまな疑惑を指摘している。 会見の冒頭、舛添知事は「今回、このような懸念を持たれていることについては不徳のいたすところ、ご心配いただいている方々に心からお詫び申し上げたい。都民からのさまざまなご意見を真摯に受け止め、今後の都政運営をしっかり行っていきたい」と陳謝した。 週刊文春が報じた内容のうち、世田谷区にある舛添知事の自宅付近の天ぷら屋「K」で支出した2013年2件、2014年1件の飲食代は、「個人使用分が誤って計上されていることを確認した。合計5万2550円は収支報告書を訂正、削除した上で返金することとした」として、個人的に使用した飲食代が収支報告書に記載されていたと明かした。 また、同じく自宅付近のイタリア料理店「A」における2013年6月の飲食代1万6665円と、神奈川県足柄下郡の回転寿司店「H」における2013年4月の飲食代1万5190円についても、「政治活動に利用したことまで確認できず、収支報告書を訂正、削除した上で返金することとした」と説明した。
一方、参議院議員時代の2013年1月と2014年1月の2回にわたり計37万1000円を会議費として千葉県内のホテルに支出していたことについては、「(家族旅行で)宿泊していた部屋で事務所の関係者らと会議を行った。2013年は直前に行われた総選挙の結果総括と、その年の7月に予定されていた参議院選挙の対応について、2014年については、直後に出馬表明した都知事選の対応について会議を行なった」として、政治活動だったとの認識を示した。 その上で、「会議使用とはいえ、家族が宿泊している部屋を使用して懸念を招いたことは反省している」として、これら2件についても、収支報告書を訂正、削除した上で返金するとした。
このほか、新宿の画材・額縁専門店の「世界堂」での支出については、「海外交流の際、浮世絵の版画などをツールとして使用している。世界堂はそれらの額装に関わる費用が大半」と政治活動に使用しており法律上の問題はなく「政治資金で財テクをしている事実はない」と疑惑を否定した。 また、2013年に千葉県内のアウトレット店で購入したショルダーバッグを事務所備品として計上しているが、これについても「小さな事務用品入れとして、鞄に入れて利用している」として、こちらについても問題はないと説明した。 (取材・文/具志堅浩二)