足湯につかり、笑顔を見せる藤井竜王（右）と佐々木八段（あわら市で）

　福井県あわら市の温泉旅館「美松」で行われた第３７期竜王戦七番勝負第２局（読売新聞社主催、特別協賛・野村ホールディングス）の決着から一夜明けた２１日、勝利した佐々木勇気八段と藤井聡太竜王が温泉街の足湯施設「芦湯（あしゆ）」を訪れた。２人並んで湯に足を浸しながら、県内で過ごした４日間を振り返った。 【動画】勇気君のお相手 「めんどくせー」の渡辺節

　２人は、ズボンの裾を膝まで上げてから約４０度の湯に両足を入れ、笑顔で「気持ちいい」と口をそろえた。藤井竜王は「注目された中で対局でき、うれしかった」とした上で、「一乗谷朝倉氏遺跡（福井市）で駒が見つかっており、福井は将棋にゆかりがある。より盛んになれば」と語った。

　佐々木八段は「空気が澄んでいて気持ちよく過ごせた。竜王戦を通し、将棋をやってみたいと思ってもらえたらうれしい」と述べた。

「リピートしてくれた佐々木八段に感謝です」と話す馬面社長（あわら市で）

　この日は市のウェブサイトで「勝負めし」の人気投票の結果が公表された。市などでつくる実行委員会が市内の事業者から募集後、８月にインターネットで１００６票が投じられ、２人が注文した品も上位に入っていた。

勝負めし部門の３位に入った「辛味しぼりおろし蕎麦と小天丼」

　おやつ部門で１位だった「あわらとみつ金時チーズケーキ」は、佐々木八段が１９、２０日の午前と午後に４回連続で注文。佐々木八段は「対局中は甘い物が欲しくなるのでぴったりだった」と満足げだった。提供した馬面昭栄堂の馬面佳和社長（５３）は「味わいのバランスや全体の見栄えを考えた。気に入ってもらい、感謝している」と喜んだ。

　藤井竜王が１９日の昼食に注文した越前そば処福乃家の「辛味しぼりおろし蕎麦（そば）と小天丼」は勝負めし部門の３位で、藤井竜王は「おろしそばが名物と聞き、食べてみたくなった。大根おろしの辛みが強く驚いたが、本場の味を楽しめた」と話していた。