曳山車輪100年ぶり新調 富山・八尾の今町保存会、住民ら5月3日の祭りへ気持ち新た
富山市八尾町中心部の今町曳山(ひきやま)保存会(廣川正司会長)は、今町に伝わる曳山車輪を約100年ぶりに新調した。31日に同町の曳山山倉前で清祓(きよはらい)式を行い、住民ら約40人が完成を祝うとともに、約1カ月後に迫った越中八尾曳山祭に向けて気持ちを新たにした。 八尾町中心部では毎年5月3日、八尾八幡社(富山市八尾町下新町)の春季祭礼として越中八尾曳山祭が開かれる。今町を含む6町が曳山を所有し、いずれも県有形民俗文化財に指定されている。 今町の曳山は、安永4(1775)年が起源。1927年に内車形式から外車形式に変更した際に車輪を作り直し、近年は内部にひび割れが生じるなど老朽化が進んでいたため、県と市の補助を受けて新調することにした。 車輪は直径約1・4メートルで、新調作業は岐阜県高山市の八野大工が3年がかりで手がけた。おととしの曳山祭は旧車輪の金具を取り外した状態で、昨年は白木の状態で引き回した。昨年5月の同祭終了後、白木に漆を塗り、磨き直した金具を取り付けた。
清祓式では、伊藤博之同町自治会長らが玉串をささげた。廣川保存会長(60)は「無事に新調でき、晴れ晴れしい気持ち。この先100年、若い世代に受け継いでいってほしい」と話した。