現在50歳の自営業ですが、将来もらえる年金が「月6万円」しかないと聞いて不安です。今からでも月400円の「付加年金」を始めるべきですか? いくら増えるでしょうか…?
退職金制度がない自営業やフリーランスの人は、将来もらえる年金も会社員や公務員に比べると少ないため、老後の生活に不安を感じる人が多いのではないでしょうか。そんな不安を抱える人には、年金額が上乗せされる「付加年金」の活用がおすすめです。本記事では付加年金の仕組みやメリット・注意点に加え、付加年金によってどれぐらい年金額が増えるのか、実例も併せて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。 ▼年金が「月10万円」で老後が不安…持ち家で「貯金」と「退職金」があれば大丈夫? 生活費を試算
付加年金とは
付加年金とは、国民年金の通常の保険料に上乗せして保険料を納めることで、将来もらえる年金額を増やせる制度です。 ■加入対象者 付加年金の対象者である国民年金第1号被保険者の年金受給額は、20歳から60歳までの40年間、国民年金保険料を全額納付した人であれば、満額の79万5000円(令和5年度)、月にすると6万6250円受け取れます。しかし、この金額は厚生年金がある会社員や公務員に比べて少ないため、年金受給額を増額できる付加年金をおすすめします。 付加年金の加入対象者は以下のとおり、第2号被保険者である会社員や公務員、第2号被保険者に扶養され第3号被保険者になっている専業主婦(夫)の人などは加入できません。 ・国民年金第1号被保険者 ・65歳未満の任意加入被保険者 ただ、対象となっている人でも「国民年金保険料の納付を免除されている人」や「国民年金基金に加入している人」は付加年金に加入できませんので注意が必要です。 ■保険料・納付 付加年金の保険料は月400円、年額で4800円です。通常の国民年金保険料と同様、前納で割引があり、納付期限を過ぎた後も2年間は保険料の納付が可能となります。
付加年金のメリット
付加年金の最大のメリットは、支払った保険料総額の半分にあたる200円に保険料納付月数を乗じた金額が毎年の年金額に上乗せされることです(年金上乗せ額は200円×保険料納付月数)。つまり「400円×保険料納付月数」の保険料総額の「元を取る」のに要する受給期間は、わずか「2年間」ということになります。 トータルの保険料と年金上乗せ額を比較すると、仮に年金を4年間受給すれば保険料の2倍、10年間受給すれば保険料の5倍もの上乗せになります。また、上乗せされた年金額は繰下げ受給による増額の対象にもなりますので、繰下げ受給を検討している人にもおすすめです。