同じ焚き火シートでも〝熱の反射力〟は雲泥の差!? 地面へのダメージを劇的に軽減する「優れたシートの特徴」とは
『焚き火と道具』は、テレビや雑誌で活躍中の焚き火マイスター・猪野正哉さんが、愛用している焚き火道具について語り尽くした1冊。マイスターの使う道具にはそれぞれに物語があり、選んだ理由、気に入っているところ、手放せなくなったポイントがあります。 【写真】地面へのダメージを防ぐ焚き火シートの正しい使用方法を見る(全5枚) 今回はそんな焚き火マイスター愛用の「焚き火シート」について転載します。
芝生や草木を熱から守る「焚き火シート」
芝生の上では焚き火はしないことが賢明だ。落ち葉の上はもっての外である。一度、枯れてしまった芝生は、なかなか元には戻らない。 そして万が一の備えは、焚き火を楽しむために最低限必要な準備だろう。 水を置いておくことは昔から常識だが、最近は焚き火台を使うこと、さらにその下に「焚き火シート」を敷くことが当たり前になっている。 このシートを敷くことで、爆ぜたり、燃えた薪がこぼれ落ちても延焼の心配が少なくなる。さらには、芝生や草木を熱から守り、地中の微生物も殺さずに済む優れ物である。 焚き火シートは、通称〝スパッタシート〟とも呼ばれていて、種類は耐熱シートと不燃に分かれる。 不燃だからといって、シートの上で直接焚き火をしてしまうとボロボロになるので絶対にやってはいけない。
アルミニウムの放射力が歴然の差を生み出す
シートの素材はさまざまで、耐炎繊維、ガラス繊維、シリカ繊維などが主だ。 いろいろなブランドの焚き火シートを使い比べてみたが、なかでも「ベルモント/焚き火プロテクトシート」が群を抜いて優れている。 素材は不燃グラスファイバーを用い、表面には厚口アルミニウムを蒸着させている。これにより、地面に熱が伝わる前に空中に熱を放射し、地面へのダメージを劇的に軽減できる構造だ。 大半のシートは、厚手のグラスファイバーを四角く縫製しただけのもの。 カーボンフェルトやスパッタシートなどもあるが、どれも表面はなんともなくても、焚き火後にペロリとめくってみると地面に焦げ跡がついてしまっていることが多い。 そこにアルミニウムが一枚貼られているだけで、熱を反射する力の差は歴然なのである。 それでも、少なからず裏側の地面には熱が伝わってしまうことは頭に入れておきたい。
ソトラバ編集部