「衛星画像を用いた中国の戦略核戦力増強の現状に関する分析」で判明 「最小限抑止政策」とは違う現実
中国の「最小限抑止政策」とは違う現実が展開されていることが判明
小泉)とすると、本当に300本分のミサイルサイロを掘ったことになります。既存の移動式ICBMも含め、中国のICBM戦力は400~450基超えを目指していると言われています。つまりロシア・アメリカをも上回る世界最大のICBM戦力を持とうとしている。比較的、少数の核兵器で対応してきた中国の最小限抑止政策も「変わってきたのではないか」というような議論になっています。 飯田)もともと「先制核は使わない」と言っていたけれど、最近それが曖昧になってきた。こういう増強の仕方を見ると、「本当にそうなのかも知れない」という可能性を感じますね。 小泉)「先制不使用」の放棄は、必ずしも「いますぐ核を使う」という意味ではありません。ロシアもアメリカもそうは言いながら、核を使っていないわけです。ただ「従来、中国が行ってきた政策との乖離が見られるのではないか」ということが、いろいろな分野の専門家を集め、衛星を使って見えてきたというレポートです。