兵庫知事選は期日前投票3割増 論戦過熱、SNS拡散効果で前回の投票率41.1%超えか
過去最多の7人が立候補した兵庫県知事選が17日、投開票される。斎藤元彦前知事(47)がパワハラ疑惑などを文書で告発された問題に端を発した選挙戦は、知事の資質や疑惑の事実関係をめぐって論戦が過熱し、候補者の動画や交流サイト(SNS)の投稿が爆発的に拡散する例もある。各候補者が有権者に顔を見せて訴える街頭活動とインターネット上の〝空中戦〟が相まって白熱する選挙戦だが、有権者の投票行動につながるのか、投票率の行方も注目される。 【グラフでみる】兵庫県知事選の過去の投票率 県選挙管理委員会によると、平成に入って以降投票率が50%を超えたのは、知事選と参院選が同時に行われた平成13年の56・21%と、25年の53・47%。知事選単独では投票率は30%台後半から40%台前半にとどまる傾向にあり、25年の次に実施された29年は、12・61ポイント減の40・86%だった。 20年ぶりの新顔対決となった令和3年の知事選は、新型コロナウイルス禍ではあったが、やや投票率が伸び、平成29年よりも0・24ポイント上回る41・10%だった。 今回は候補者数が過去最多で、それぞれの公約に加えて文書問題を巡る認識や知事としての資質などが問われる異例の選挙戦が繰り広げられている。選挙前から県政が注目され続けてきた経緯もあり、投票率がアップする可能性もある。 告示日以降、候補者らはネットや演説で期日前投票を呼びかけ、投票所の一覧を紹介。期日前投票の開始から10日間の投票者数は33万3694人で、前回選の当初10日間と比べて約10万5千人多かった。 県選管の担当者は「今後の展開はわからないが、有権者の注目度が高い選挙であることの表れではないか」と説明。ポスターなどで投票に行くよう啓発しているほか、兵庫県知事選としては初めて「投票済証」の配布も実施している。特設サイトでは、投票率の低い傾向がある若年層に向けて「暮らしを守り、より良い社会にしていくためには、良い代表者を選ぶことが必要」などと呼びかけている。