麒麟、トークライブ「ふたりっきりん」終演後独占インタビュー「自分たちがノスタルジックに」
麒麟(川島明、田村裕)のトークライブ「ふたりっきりん」が、9月28日にIMM THEATERで開催。終演後、2人にインタビューを行った。 【写真を見る】麒麟、トークライブ終演後にインタビュー 2023年9月、2024年3月に続き、3回目となった本公演。第1、2回の会場だったルミネtheよしもとから舞台を移し、今回は東京ドームシティ内にあるIMM THEATERでトークライブの幕が上がった。イベントでは、川島と田村の近況はもちろん、彼らのやりとりやエピソードで会場は爆笑に! 田村が「ラヴィット!」を観ていて思わず唸った川島の"返し"の話、Instagram Live(インスタライブ)中に出会った男性の話のほか、彼が披露したあるエピソードが、第1回目にトークしたものとまったく同じ話だったことが発覚する一幕もあった。 一方、川島は「ラヴィット!」で共演中の青木マッチョ(かけおち)の話、マユリカも担当するマネージャーと一緒にいるときに遭遇した珍事、美容室に行った際のエピソードなど、盛りだくさん。今回のポスタービジュアルを担当した加賀翔(かが屋)との撮影秘話も明かした。 イベントの終盤には、もはや本イベントで恒例となりつつある新作漫才も披露。川島のボケと田村のツッコミがバチッと決まると、うねりのような笑いが巻き起こった。 イベント終了後、川島と田村に話を聞いた。 ーー第3回目のトークライブでしたが、いかがでしたか? 川島「今日はいつもと小屋が違って、しかも土曜日の昼だったんで、おっさんが多かったんですけども」 ーー(笑)。 川島「ただ、いい"しっとり感"というか、めちゃめちゃ笑ってくれたし、『ここぞ!』というところで盛り上げてくれたから、過去2回ともですけど、今日もめちゃくちゃやりやすかったです」 田村「ほんまに始まるまで(静かだったため)お客さん0人なのかなと思ったんですよ。オープニングのVTRが始まっても歓声も拍手もないので、マジでビビっていました(笑)。もちろん幕が開いたら、たくさんのお客さんがいらっしゃってくれていたし、川島くんが言うようにしっとりしてるけど、しっかり反応してくれて、楽しい空間を一緒に作ってくれるお客さんでしたね。ほんまに理想系のお客さんかもしれないです」 川島「我々も芸歴的には27年目ということで、『多分昔から来てくれてんのかな』という方が、お子さんを連れて来てくれていたんですよ。泣き声も聞こえてきたんですけど、ちょっと嬉しかったんですよね。『お子さんを連れて来てくれたんや』というのはもちろん、周りのお客さんも『ええ?』みたいな目もせず一緒に笑ってくれたし、お母さんもお子さんも楽しんでくれてたと思うんですよね」 田村「ご夫婦でいらっしゃったと思うんですけど、最高ですよね」 川島「全然泣いてくれていいんで。もう賞レースには出ないから漫才中に何をされてもいい。仕上げることもないし(笑)」 田村「むしろありがたかったですよ」 川島「『親になっても来てくれてんな~』と思うと感動しました」 田村「周りのお客さんが怒ってなかったのが嬉しかったよね」 川島「そうそう」 田村「すごくほんわかした空気がありましたね」 川島「ということは、我々に威圧感がないということですからね」 ーー(笑)。今回3回目ということですが、田村さんが敬語になって、よそよそしくなるのが定番となっていますが、今回はいかがでしたか? 田村「今も敬語を使えるなら使いたいですけどね。敬語の方が楽です(笑)」 川島「ただ、今回3回目にして(田村が)同じ話をされたんでね......」 田村「(笑)」 川島「あの話を知らないお客さんは普通に笑ってたんで、止めるべきではないなと。途中、『手元で曲がるんちゃうか』と思って聞いてたんですけど、やっぱり同じ話をしていて。(田村が)話している途中から『変なこと言ってる?』みたいな顔してましたけど......変なこと言ってますから(笑)」 ーー現在のところは半年に1回ペース開催ですが、この感覚はいかがですか? 川島「皆さん空いてたら来はるやろうし、我々も空いてたらやるし、この距離感がいい感じでやりやすいですね。収録でしか会っていない方が足を運んでくれて、『意外と漫才やるんですね』、『漫才うまいっすね』みたいなテンションやったんですけど、漫才が本業やったんですけどね(笑)。スーツ姿を見せられて良かったです」 田村「ちょうどいいペースかもしれないですね。『あまりコンビで活動せえへんのかな』みたいな空気もあるんで、『麒麟でトークライブをやるんですよ』と言うと、テレビ局の人も友達も安心してくれるんですよ。今回、配信もあるので、たくさんの方に見てもらえるチャンスがあるのは、僕としても嬉しいです」 ーートークライブ開催は田村さんからのご提案だったんですよね。 田村「最初はそうですね。そもそもの話、僕は漫才ライブもやりたいけど、今の川島くんのスケジュールじゃキツいやろうから、トークだけで行こうかって持ちかけて」 川島「『トークやったら負担がかからんやろう』みたいなね。そこで『でもやるんやったら漫才も......』ってなっちゃって。結局漫才も毎回やってるんですけどね」 田村「僕からしたらありがたいんですけど、川島くんから『漫才も』と言ってくれて......。ただ、毎回やるって決まってると負担になる部分もありますから」 川島「漫才がないと『ないんかい』の空気になるんで」 田村「(笑)。一応前回『毎回やるとは思わんといてくれ』って言うたんすけどね」 川島「今日は90分でしたけど、コーナーをしたり、ゲストを呼んだりしない非常に地味なトークライブなんで、漫才もやっとかんと申し訳ないですから」 ーー今後も開催予定の「ふたりっきりん」の魅力を教えてください。 川島「収録やテレビとなると、段取りや『これをやりましょう』というのがあって、構えてやらないといけない項目があるんですよ。(ふたりっきりんの場合は)漫才はネタ合わせをしますが、最近何をやったかなんて楽屋で喋らないんで、舞台でゼロからやる感じ、それをお客さんが許してる感じがいいのかなと思います」 田村「若手の頃やったら、全仕事2人で一緒やから、機嫌悪かったらお互い喋れへんし、逆に機嫌が良かったら『あの漫画が面白い』、『あの後輩がさ......』とか世間話をしていたんですけど、今は会えば喋りますが、じっくり話す時間がないんですよ。でも、このライブでは童心に帰れると言いますか。2人とも(出会ったばかりの)成人前の空気で喋れる瞬間が突然舞い降りてくるんですよね。お客さんを置いてけぼりにしているときもあるかもしれないですけど、あの瞬間は自分たちがノスタルジックになれる。それも込みで楽しんでくれたら嬉しいです」 取材・文・写真=浜瀬将樹
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