石炭記念館の在り方 来年度中に方向性、休館続くも継承へ知恵【宇部】
展望やぐらの鉄骨補強材が剝離し、来館者の安全確保の観点から臨時休館が続いている石炭記念館について、宇部市は来年度、同館の在り方、石炭産業の歴史継承などを含めた方向性を検討していく。市議会12月定例会一般質問の最終日となった12日、木原大介議員(令心会)の質問に、篠﨑圭二市長、青山佳代観光スポーツ文化部長が答えた。 1969年に建設され開館から50年以上が経過している同館は、建物や設備の老朽化が進んでいる。今年5月、市は同館が抱える課題、役割、求められる機能などを整理したリニューアル基本構想を示し、今年度末をめどに同基本計画を策定する予定だった。 8月に鉄骨補強材の建物屋上への落下を確認し、計画策定を見合わせ。今後、長期にわたり使用できるかの検討も含め、来年度中にコストなども勘案しながら方向性を決めていく方針に切り替えた。 篠﨑市長は「市の歴史と石炭の歴史は切り離せない。石炭産業の過去、現在、未来を次世代に伝える拠点施設として、どのような形で残していくかを考えていきたい」と述べた。 剝離した補強材の場所が特定されたことを受けて、現在は補強工事が始まっており、年内には完成する見込み。準備が整い次第、早ければ年内にも同館の営業を再開する予定という。