同僚が大人の発達障害だったら? ミスを責めても事態は好転しない トラブル防止は本人の対策と周囲のサポートから
「言葉の裏」を読み取ることが難しい傾向のASDのサポート術
他者とのコミュニケーションが苦手な特性があるASDの人は、人づきあいが苦手なことから言葉の裏を読みとることが難しく、他者の言葉をストレートに受け取って信じてしまう傾向があるとされます。また、過去の経験から自尊感情が低く「自分はダメな人間」と思ってしまっている場合、他者からの言葉を否定できずに、詐欺やDVなどに巻き込まれてしまうこともあります。 ASDの人の家族や周囲の人は、普段からコミュニケーションを取るようにして、「何かあったときに相談できる関係性」を保つことが大切だと解説しています。 「ふだんからコミュニケーションを密にしておく」「さりげなく交友関係をチェックしておく」「子どもから相談を受けたときは真剣に答える」 ~中略~ 友人や恋人と思っていた人にだまされたことがある人には、周囲の人は変わった様子がないかどうか気を配り、その人が誰かにだまされていると感じたら真剣に相談に乗り、「信頼できない人であるようなら、つきあいをやめたほうがよい」とアドバイスしましょう。(本書より)
本人と、周囲の人との信頼関係が大切
本書ではさらに多くのサポート術が紹介されていますが、いずれも「こうすべき」「こうしなさい」といった強要的なものではなく一貫して優しい筆致で、「今日から実践できそうだ」と思えるものばかりです。最後に本書の担当編集者にも聞きました。 「本書は専門医の岩波明先生にご監修いただき、一般読者向けにわかりやすくお伝えする1冊として刊行しました。発達障害の特性が原因で起こるトラブルを減らすためには本人の対策が重要ですが、同じくらい重要なのが周囲の人のサポートです。さらに、周囲の人と本人との間に、信頼関係や理解し合おうとする関係がつくれているかどうかが大切だと思います」(担当編集者) (まいどなニュース特約・松田 義人)
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