ヤンキース、ロッテ・佐々木朗希獲り意欲 ブーン監督「特別な才能。エースになれる」 最有力候補・ド軍に宣戦布告
【ニューヨーク11日(日本時間12日)=竹濱江利子通信員】ポスティングシステムでの米大リーグ挑戦が容認されたロッテ・佐々木朗希投手(23)について、ヤンキースのアーロン・ブーン監督(51)が獲得に強い意欲を示した。来季の続投が発表された指揮官はリモート会見で「争奪戦に入ることを望んでいる」と宣言。最速165キロ右腕の能力を「メジャーでエースになれる」と将来性を高く評価した。 東海岸の名門も黙ってはいない。ヤンキースのブーン監督が、ロッテ・佐々木の獲得を熱望。争奪戦必至の23歳にラブコールを送った。 「争奪戦に入ることを望んでいる。メジャーでエースになれる。間違いなく最も有力な先発投手になるだろう」 2009年以来15年ぶりにヤ軍をワールドシリーズ進出に導いた指揮官は続投が決まり、リモートで会見。ポスティングシステムによる佐々木のメジャー移籍をロッテが容認したことを受け、質問が飛んだ。映像で見たことがあるといい「3桁の剛速球(100マイル=約160・9キロ)にフォークボールがあるのは知っている。異質で特別な才能の持ち主」と絶賛。「スキーンズ(パイレーツ)とほぼ同年代だと聞いた」と、今季11勝(3敗)を挙げたナ・リーグ新人王候補の最速164キロ右腕と比較した。 昨季はキャッシュマン・ゼネラルマネジャー(GM)が訪日し、佐々木の登板を視察。過去に松井秀喜、黒田博樹、田中将大(現楽天)ら日本選手が多く在籍した実績もある。今オフにポスティングされるか否かは当初は不透明だったが、監督は「驚いてはいない。大谷(ドジャース)がメジャーに来たときと同じような状況だというのは分かっていた」と、入念に準備を進めていたことを明かした。 本塁打王のジャッジを擁し、世界一を狙える人気球団だが、昨オフはオリックスからポスティングされた山本の争奪戦でドジャースに競り負けた。ド軍には10月のワールドシリーズで1勝4敗と完敗しており、今オフのストーブリーグで一矢報いたいところ。FA戦線では最大の目玉とされる左の大砲ソトの慰留に全力を注ぐ一方、エースのコールとは29年までの契約延長で合意した。さらなる先発陣の補強に関して監督は「オフの楽しみでもあり、キャンプまでに強いチームが編成できることを期待する」と言葉に力を込める。 現地報道では西海岸の名門ドジャースが佐々木の移籍先の最有力候補とされている。他にパドレス、メッツが候補に挙がり、MLB公式サイトはこの日、鈴木誠也と今永昇太が所属するカブスも参戦すると報じた。現行の大リーグの労使協定では25歳未満のドラフト対象外の外国人選手とはマイナー契約しか結べず、契約金、年俸が低くて済むため、低予算の球団も望みを捨てていない。全30球団による〝朗希狂騒曲〟が幕を開けようとしている。