メルセデスF1、ハミルトンへの組織的妨害を“告発”した怪メール騒動に激怒。警察と連携し調査乗り出す
メルセデスF1は、ドライバーのルイス・ハミルトンに対してチーム側が彼を危険にさらすような行為をしているという匿名のメールが出回っている事態を受けて、警察に通報して捜査を進めていると明かした。 【ギャラリー】ルイス・ハミルトン、全F1マシン(マクラーレン~メルセデス) このメルセデスを批判する匿名のメールは、今年初めにレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表の不適切行為疑惑が持ち上がった際、メッセージアプリの履歴などが転送されたF1およびメディア関係者と同じリストに送られた。 匿名メールはチームメンバーからのものとされており、メルセデス、特にトト・ウルフ代表がハミルトンのマシンや戦略、メンタルヘルスに「組織的な妨害工作」を行なっているという批判が行なわれた。 さらにこの匿名メールは、“裏”の行為によって最終的には「ルイスの命が脅かされる」危険な道を進んでいることを懸念していると主張した。 なおそれ以外にも、特定の人物達には携帯電話からWhatsAppでフォローアップメッセージも送られていたことが判明している。 この事態に、メルセデスはメールにはいかなる事実も含まれていないと否定。さらに連絡自体もメルセデスの従業員からのものではないと明言し反論した。 今週末行なわれているスペインGPでは、ウルフ代表がこうした事態を受けて怒りを見せた。そして既にチームは犯人を見つけるためにも、警察へ通報して調査を進めていると明らかにした。 「これはチームメンバーからのものではない」とウルフ代表は言う。 「我々がこれらのメールを大量に受けとり、そこで特に誰かの死について語られていたりすれば、動揺もする」 「この件については、全面的な捜査を指示している。我々は警察にも通報しており、IPアドレスを調べている。電話についてもそうだ。こうしているのは、オンライン上でのこうした暴言は止めさせなければならないからだ。スマートフォンやパソコンの後ろに隠れて、このようなやり方でチームやドライバーを貶めることはあってはならない」 ウルフ代表は、メルセデスが特定のドライバーを故意に妨害することで、コンストラクターズランキング争いでの努力を無駄にするようなことは、考えられないとも語った。 「陰謀論者や馬鹿げた人達が何を考えているか、私には分からない」 「ルイスは12年間チームの一員としてやってきた。我々には友情が育まれており、互いのことを信頼しあっている。この関係を最高の形で終わらせたいし、この関係を祝福したいと思っている」 「もしそれら全てを信じられないというのであれば、我々がコンストラクターズチャンピオンシップで勝ちたいと思っているということを信じて欲しい。そして、コンストラクターズチャンピオンシップというのは、2台のマシンで勝つものだ。だから少し落ち着いて欲しい」 またウルフ代表は、匿名の立場から隠れて批判を行なうことに対して、特に苛立ちを覚えていると語った。 「寝室でノートPCを開いてひたすらタイピングしている人達はいつだって存在している」 「でっち上げたInstagramのアカウントの後ろに隠れて人を批判したり攻撃したり、その他色々したいと思っているとしたら、私は出て来て欲しいと思っている。表に出て、自分が誰なのかを話してくれれば、批判を受け止めて話し合うよ。だから隠れるな」 「メールが送られてきたり、電話番号がこうしたメッセージに使われてしまうと、我々は本気になって、追求する必要が出てくる。それが上手くいくかどうかは別としてね。しかし、物事には限度があるんだ」
Jonathan Noble