【宝塚記念】ドウデュース、秋春GP連覇へ文句なし! ラスト11秒8友道師納得の動き
<追い切りの番人> 上半期を締めくくるグランプリ宝塚記念(G1、芝2200メートル、23日=京都)の最終追い切りが19日、東西トレセンで行われた。 【写真】記者会見に応じる武豊 注目馬の調教を深掘りする「追い切りの番人」では、大阪のことは(下村琴葉)記者がファン投票1位、ドウデュース(牡5、友道)の調教過程に迫った。中間は速いフィニッシュを繰り返しながら、最終リハでは有り余るエネルギーをコントロール。秋春グランプリ制覇へ文句なしの仕上がりだ。 ◇ ◇ ◇ 金剛力士像のように見える。ドウデュースの胸元、肩、トモにまとわる力強い筋肉。みなぎる気力。あふれ出すオーラに、誰もが引き込まれる。ただ、この日の追い切りは、そんな彼の気迫をスッとセーブするような仕上げだった。 時計を出す必要はなかったことと、火曜の雨が残った馬場を考慮し、芝コースで併せ馬を行った。カルデア(3歳未勝利)を5馬身ほど追走し、折り合いながら直線へ。内から手応えよく並ぶと、突き抜けそうなところで我慢させた。6ハロン81秒5-11秒8。馬体を併せてゴール板を駆け抜け、態勢を整えた。 友道師 普通は気合を乗せるために併せ馬をするけど、それの反対で前の馬を抜かないように。(手綱を)引っ張っているわけでもない。前川(助手)がうまく乗ってくれたし、馬も折り合っていた。 師は最終仕上げの動きに納得の表情を見せる。3月のドバイ遠征は不完全燃焼の5着。翌日から現地の角馬場で乗り出せるほど、ダメージは少なかった。 帰国後は放牧を挟み、5月17日に帰厩。早めに立ち上げたこの中間は週中に加えて3週続けて日曜にもCウッドでしっかりと時計を出してきた。ラスト1ハロンは2日日曜が11秒0で、9、16日が10秒9。武豊騎手が騎乗した12日水曜の1週前追いでは同10秒8もマーク。かなり攻めている。休み明けだから? 師に尋ねた。 友道師 馬の元気がいいから。(長距離)輸送がないというのもある。 武豊騎手が「何も言うことがない」と舌を巻くほど、普段の追い切りではビュンビュン動く。これが、ドウデュースにとってのガス抜きになっているようだ。 いつものように併せた僚馬を置き去りにするのではなく、エネルギーのコントロールもできた今回の最終追い切りは、レース本番へ大きな価値があるものだろう。「万全の状態です」。師の言葉を、馬自身が体現していた。【下村琴葉】 ◆ファン投票1位 今年はドウデュースが23万8367票を集めて堂々のファン投票1位。昨年にイクイノックスが記録した21万6379票を上回り、宝塚記念の歴代最多得票数となった。ファン投票1位馬は21年クロノジェネシス、22年タイトルホルダー、23年イクイノックスと現在3連勝中。ドウデュースもこの流れに乗るか。