銭湯は地球を救う? 札幌で魅力伝えるまち研究家・塚田さんが講演
学生にも銭湯の文化を伝える
このような中、塚田さんは銭湯の魅力を語りました。 ●古くから経営していた銭湯は、建物自体が貴重(小樽・稲穂湯や函館・大正湯など) ●江戸時代からの文化を楽しめる(式亭三馬が『浮世風呂』『浮世床』で描かれた銭湯と理美容室が並んでいるという町のつくりは意外に多い) ●昔の知恵を知ることができる(薪をくべる部屋と風呂場をのぞき穴でつなぎ、お店の人とお客さんが協力してお湯加減を調整する) 塚田さんは、これら銭湯の魅力を学生にも伝えています。学生たちは自分たちが経験していない銭湯について調査すると目がキラキラするそうで、「経験していない」という部分については少し寂しい思いもしながらも風呂掃除や番台体験などを行いました。この体験をした学生たちは、数十年経った今再開した時にも当時の体験について語っていたといいます。それほどインパクトのある体験だったということなのでしょう。 自宅には、収集した“桶”が300個近くあるという塚田さん。最近は自ら主宰しているまち文化研究所で銭湯文化を楽しむイベントも実施、銭湯文化に関する新刊も予定されているなど、精力的な活動を続けています。 (ライター・橋場了吾)