<ここに注目>エース小園擁する市和歌山 県岐阜商は序盤で好機狙う 選抜高校野球
◇第4日第1試合 市和歌山vs県岐阜商 第81回大会(2009年)の清峰(長崎)以来となる公立校優勝を目指して激突する。ポイントは「大会ナンバーワン投手」の呼び声が高い市和歌山のエース右腕・小園健太(3年)を、県岐阜商打線がどう打ち崩すか。機動力を生かしてプレッシャーをかけたい。 【写真】センバツ応援ポスターに小泉のんさん 小園は20年秋の公式戦全6試合に登板し4完投。最速152キロの直球に多彩な変化球、制球力は言うまでもない。ツーシームやカットボールなど曲がりの小さな変化球を駆使して得意の直球を狙い打たれないようにしたり、あえて捕手のサインに首を振ったりと投球術も一級品。県岐阜商は野崎慎裕、松野匠馬(ともに3年)の二枚看板を軸に最速140キロ超えの投手を4人擁して粘る。 攻撃はともにチーム打率2割台後半。市和歌山はチーム計29打点のうち11打点を挙げた松川虎生(3年)や2本塁打の田中省吾(同)を中心に小園をもり立てたい。県岐阜商は東海大会全3試合で初回に先制し、一回だけで計10点を奪うなど相手投手の立ち上がりを攻めるのがうまい。ヒットエンドランや走者による揺さぶりなど、小園攻略の鍵に挙げる「チーム打撃」で流れを作りたい。【森野俊】
市和歌山 50年ぶり近畿4強入り 小園支える強肩松川、打撃でも注目
2020年秋は和歌山県内のライバル・智弁和歌山に新人戦、和歌山大会、近畿大会と3度勝利。50年ぶりの近畿4強入りを決めた。エースの小園健太(3年)と捕手で主将の松川虎生(3年)は中学からバッテリーを組んでいるだけに息もぴったりだ。 最速152キロの右腕・小園はクレバーな投手で、スライダー、カーブ、チェンジアップなど球種は豊富。冬場に直球の握り方にも改良を加えるなど、向上心も高い。松川は強肩で、リードも駆け引き上手だ。 打線は近畿大会は3試合で5得点と得点力不足だった。冬場はスイング軌道を確認するため、1メートルの長尺バットを使ったロングティーにも取り組んだ。「選手の調子を見ながら打順を組み替えたい」と半田真一監督。クリーンアップで長打力のある松川、田中省吾(3年)の打力に期待したい。 チーム最高成績は藤田平(元阪神)を擁した第37回大会(1965年)の準優勝。09年の清峰(長崎)以来の公立校優勝を狙う。【藤田健志】