「誰もロシアを抑圧できず」-当選確実のプーチン氏が宣言
(ブルームバーグ): ロシア大統領選でプーチン大統領(71)が事前予想通り、圧倒的大差での勝利が確実となった。任期は2030年までの6年間となる。政権は過去最高の支持を得たとしてウクライナでの戦争をさらに推し進め、西側との対立が続くことになりそうだ。
プーチン氏は17日遅くモスクワで支持者らに、「過去、われわれとわれわれの意志、そしてわれわれの意識を抑圧しようとした者はいたが、どれだけ強く望もうと歴史上成功した者はいない」とした上で、選挙前に掲げた主要な計画と「一部分野の壮大な計画」はすべて「必ず達成される」と語った。
またロシアと、米国主導の北大西洋条約機構(NATO)の直接の紛争は「一歩間違えれば簡単に全面的な第3次世界大戦」になるだろうと話した。
プーチン氏の暫定得票率は87.2%と、2018年の前回大統領選で記録した過去最高の77%を大きく上回っている。
投票率は74.2%。これは18年の67.5%を大きく上回り、旧ソ連崩壊後にボリス・エリツィン氏が大統領となった1991年以来の高水準。少なくとも6つの地域で投票率は90%を超えたという。
中央選管データによると、プーチン氏以外の3人の候補はいずれも得票率が4.2%以下にとどまっている。今回の当選で通算5期目となるプーチン政権は既に25年近くに及び、独裁者スターリン以来の長期政権となっている。
ウクライナのゼレンスキー大統領はビデオ演説でプーチン氏について、「権力依存症であり、永遠に支配するためには何でもする」とした上で、「自身の権力を長引かせるために、プーチン氏はあらゆる悪を犯す。身を守れる人は世界に誰もいない」と語った。
ナワリヌイ氏
2月に獄死した反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の妻らは、投票最終日の17日正午に投票所に行き、プーチン氏以外に投票するよう呼び掛けていたが、モスクワやサンクトペテルブルクなど複数の投票所では正午ごろに有権者の長蛇の列ができた。