“相思相愛”なのに再契約交渉はなぜ難航 T・ヘルナンデスとド軍の間に生じる「溝」とは?「恨みを持たずに方向転換する」
ベテランスラッガーの去就が注目を集めている。今オフにドジャースからFAとなったテオスカー・ヘルナンデスだ。 【動画】優勝セレモニーで涙!T・ヘルナンデスが大観衆の声援に感極まる ドジャースの“世界一”に小さくない貢献を果たす1年を送り、声価は高まっている。現在32歳のT・ヘルナンデスは、マリナーズからFAとなった昨オフに2350万ドル(約34億6000万円=当時のレート)の単年契約で加入。大谷翔平に次ぐチーム2位の34本塁打、99打点、OPS.840を記録。ここぞの場面で勝負強い打撃を発揮し、打線の中軸を担った。 今オフに向けては「ドジャースが(契約の)最優先だ。来年またこのチームでプレーするために全力を尽くす」と本人は球団愛を明言。ドジャース側も契約延長に向けたオファーを提示するなど「相思相愛」と見られてきた。 しかし、交渉は難航の兆しを見せている。米全国紙『USA Today』のボブ・ナイチンゲール記者によれば、T・ヘルナンデス側は4年8000万ドル(約121億6000万円)以上の契約をドジャース側に要求。年齢などを考慮してオファーを提示したとされる球団側とは小さくない“溝”が生じているという。 遅々として交渉が進展しなければ、他球団が出し抜く可能性もゼロではない。すでに衰えを感じさせない人気銘柄であるT・ヘルナンデスには、レッドソックス、ヤンキース、ブルージェイズが強い関心を寄せているという。ドジャースの専門サイト『Dodgers Nation』は「ヘルナンデスを呼び戻すことができない場合、彼が残した穴を埋める方法を見つける必要がある。ただ、彼が他チームに移籍しても、ドジャースは恨みを持たずに方向転換するだけだ」と強調している。 また、ドジャース関係者も「もしも」の場合への心づもりはしている。アンドリュー・フリードマン編成本部長は、現地時間12月11日のウインターミーティングでの会見で「彼が移籍したいと話していたことは知っている」と漏らした。 「彼と彼の家族があらゆるオファーを検討し、自分たちにとって最も理にかなった方法を見つけ出すことになる。だから、私たちは(再契約に)希望を持っているが、同時に彼がどこか別の球団と契約することになったとしても幸運を祈るしかない」 果たして、32歳のベテランはいかなる決断を下すか。“銀河系軍団”の動向を含めて注目だ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]