日本刀の打ち初め 飛び散る火花 荒尾市の刀匠・松永源六郎さん 1年の安全祈願
荒尾市の刀匠松永源六郎さん(76)と4人の弟子が3日、同市の作業場で日本刀の打ち初めに臨み、一年間の安全を祈った。 40年ほど続く新春の恒例行事。有明海の砂鉄で作った玉鋼[たまはがね]を炭火で1300度に熱し、機械式のハンマーでたたいて不純物を取り除いた。オレンジ色の火花が飛び散ると、見学者らが驚きの声を上げていた。 作業前には、庭先に祭っている鉄の神様にお神酒をささげた。松永さんは「作業はやけどの危険がついて回る。けがなく仕事をしたい」と話した。 松永さんが主宰する古武術「小岱流斬試[しょうだいりゅうざんし]」の門下生らの演武もあり、はかま姿の剣士7人が丸めたござを気迫のこもったかけ声とともに次々に切断した。 松永さんの作業場は日本刀製作の見学も受け付けており、欧米圏の旅行者の人気となっている。昨年は見学者の半分近い約400人が外国人だったという。(大倉尚隆)