「これって人権問題だったのか」―今年の愛知県啓発ポスターSNS上で話題に
12月10日の「世界人権デー」に合わせ、毎年12月4日から同10日は、国の人権週間となっている。そんな人権週間をPRする愛知県の人権啓発ポスターが分かりやすく“ジワジワ”と胸に響く、とSNS上で話題になっている。
「わたしの『ふつう』と、あなたの『ふつう』はちがう。」
毎年、7種類の人権啓発ポスターを掲出している愛知県人権啓発ポスターの今年のキャッチコピーは、「わたしの『ふつう』と、あなたの『ふつう』はちがう。それを、わたしたちの『ふつう』にしよう。」というもので、味のあるマンガの体裁で、様々な人権問題について分かりやすくまとめられている。やわらかなタッチのイラストとシンプルな言葉に込められた思いが、人々の心に届いたようだ。
SNSで3万リツイート超えの反響 「これって人権問題だったのか」
「こんなに反響があるとは想定外で、驚いています」と語ったのは、広告代理店・中日アド企画でコピーライティングを担当した岩田真実さん。名古屋市の金山総合駅の1駅で7日間だけ掲示されたポスターが、SNSで3万リツイートを超えるほど話題に。 「人権問題を考えるためのきっかけになればと考えていたので、感想だけでなくそれぞれの意見がネット上でも議論されていることは、啓発としての効果もあったのではないかと思います。今まで人権問題に関心が薄かった若年層の方から、『これって人権問題だったのか』とか、『これのどこが人権問題なのか分からない』という意見があって、そういうところから気づきが始まると思います」と岩田さんは言う。 また、愛知県民生生活部総務課人権推進室の大黒康子さんは、「自治体が作る人権ポスターにマンガを取り入れることに批判的な声が挙がるのではと少し危惧していましたが、マンガで分かりやすく示すことで、人権という難しいテーマが自分たちの中にすとんと落ちてくれたのではないかと思います」と語った。 12月5日から11日には、愛知県内のJR、名鉄各線の主要駅のホームなどにポスターが掲出される。この機会に家族や仲間と人権について考えてみてはいかがだろうか。