痩身エステは本当に痩せるのか? メリット・デメリットを専門医が解説
◆短期間での効果は見込みにくく、リバウンドの心配も… 脂肪を物理的に取り除く方法は?
どれもむくみの解消や代謝を上げるもので、痩せやすい体質作りをサポートするためのものです。減量効果や短期間での脂肪減少効果は見込みにくく、目に見えた変化をすぐに得るのは難しいでしょう。むくみがひどい場合は、老廃物や余分な水分が排出されることで、比較的早く減量効果や見た目の変化を感じることもありますが、脂肪の減少によるものではありません。ただし、継続することで脂肪が燃えやすく、痩せやすい体質に変わる可能性もあります。 メリットとしては、背中など自分では手が届かないところのケアやリラックス効果が得られます。また、エステティシャンからのサポートが得られるので、仲間意識が生まれ、食事制限や運動を続けるモチベーションに繋がります。継続して通えば痩せる可能性はあります。 デメリットとしては、脂肪細胞が小さくなりますが、数が減るわけではないので、元の生活習慣に戻ると、脂肪細胞が膨らんでしまい、リバウンドする可能性が高くなります。前述の通り、痩せやすい体質を目指すことが目的であって、体質が変わるまでは時間がかかります。根気強く続ける必要があります。
◆植物由来の脂肪溶解注射や脂肪を凍結する方法も…“脂肪吸引”の現在地
短期間で効果的に痩せたい場合は、美容クリニックで施術を受けるのも1つの選択です。脂肪細胞を物理的に取り除く施術もあるため、比較的早く効果を実感できます。また、ダウンタイムや副作用のリスクもあるので、医師に確認をしましょう。以下では、いくつかクリニックでの施術についても紹介します。 「共立美容外科は、脂肪吸引を1989年の開院以来、30年以上行っています。脂肪吸引とは、カニューレと呼ばれる医療用の吸引管で皮下脂肪を取り除く手術です。ダイエットをしていても、太もも、二の腕、下腹部、腰などがどうしても脂肪が落ちないという方や、全体的には太っていないけど、部分的に脂肪がつきやすい・落ちにくいという方は脂肪吸引が適しています。1980年代当時は、手術で入院することが当たり前でしたが、カニューレに改良を加え、麻酔も工夫することで、共立美容外科が日本で初めて(当院調ベ)入院なしで日帰りで受けられるようになりました。現在も1つひとつの手術を安全に配慮して行っています」(浪川浩明さん) 近年は、手術をしない施術や、ダウンタイムを軽減した手法もいくつかあるようです。 「共立美容外科ではベイザー脂肪吸引という方法も行っています。ベイザー脂肪吸引とは、アメリカの政府機関・FDA(アメリカ食品医薬品局)で承認を受けた機械を使用した脂肪吸引方法です。ベイザー波と呼ばれる振動エネルギーを発生させ、他の組織(血管、神経等)にはほとんどダメージを与えずに良質な脂肪のみを選択的に遊離させます。ベイザーを使用することで、より効果的に侵襲を少なく脂肪吸引を行うことができるので、ダウンタイムの軽減になります。 また、手術は怖いという方には、BNLS(脂肪溶解注射)という方法がおすすめです。 植物由来の成分を気になる部分へ直接注入し、脂肪の溶解を促す治療です。メスを入れずに気になる箇所の脂肪を減らすことができます。特に顔周りの脂肪が気になる方に小顔注射として人気です」 さらに最新の治療法では、傷も痛みもダウンタイムも気にならない「フリーズファット」という施術もあるようです。 「フリーズファットという、専用の冷凍脂肪溶解マシンを使用する治療法もあります。お腹など気になる部位にマシンを当て、治療部位をまず温め、血液と脂肪を分離してから脂肪を凍結する先端プログラムにより、狙った部位の脂肪細胞を破壊します。麻酔は不要で、傷も痛みもダウンタイムも気にならず、リラックスしながら快適に施術を受けることができます。ただし、部分的なサイズダウンを目的とした施術の為、体重が目に見えて減少することはありません」 共立美容外科 新宿本院院長兼総括院長 浪川浩明さん 1991年、帝京大学医学部医学科を卒業。同年、東京厚生年金病院の形成外科に入局。2006年、共立美容外科・歯科に入局。2009年、共立美容外科・歯科 新宿本院の院長に就任。同年、共立美容グループの副院長に就任。2020年、共立美容グループの総括院長に就任。