『燃えるドレスを紡いで』【関根光才監督×中里唯馬さん対談】パリコレ・オートクチュール招聘デザイナーが衣服の最終到達点で見つめたもの、その先へ――
ファッションは“世界で2番目の環境汚染産業”!?
ファストファッションの大いなる恩恵に預かっている私たちにとって(LEEwebの人気記事ランキングも如実に示していますよね)ちょっと耳の痛い話でもありますが、皆さんもどこかで“ファッション産業が世界で2番目の環境汚染産業”だと聞いたことがあると思います。 そんな問題を扱う本作を、面白いと言ったら語弊がある!? いえいえ、私たちの生活や興味や幸福感に直結する“ファッション”だもの、観始めたら嫌でも目を逸らせません。そのドキュメンタリー映画『燃えるドレスを紡いで』が全国で順次公開が始まりました。
今や“大量生産・大量消費”が加速し続けるファッション業界のシステムに、どうにか内側から変革をもたらそうと試みているのが、森英恵さんに続き日本人として2人目、かつ現在唯一のパリ・オートクチュールウィークに参加している公式ゲストデザイナーの中里唯馬さん。 中里さんが次なるパリ・コレクション(23年1月開催)に向け、“不都合な現実”からインスピレーションを得ようと新たな服作りに挑む姿、その軌跡をカメラに収めた関根光才監督。今回は、このお2人にお話しをうかがいました。 果たして迫りくるパリコレ初日までに、中里さんの革新的なチャレンジは間に合うのでしょうか。そして、どんなものが生まれて来るのでしょうか!? 驚きと衝撃とドキドキに満ちた本作にまつわる、真剣で楽しい2人の会話をお聞きください。 ●中里唯馬(左) 2008年ベルギー・アントワープ王立芸術アカデミーを卒業。2009年、「YUIMA NAKAZATO(ユイマ ナカザト)」を設立。2016年、パリ・オートクチュールコレクションの公式ゲストデザイナーに選ばれ、日本人として唯一、コレクションを発表し続けている。海外のオペラやコンテンポラリーバレエの舞台衣装なども手掛けるなど、活動は多岐にわたる。 ●関根光才(右) 映像作家としてキャリアをスタート。広告映像作品が国際的なクリエイティブアワードで多数受賞。映画、CM、ミュージックビデオ、アートインスタレーション作品など、多岐に渡る作品を発表。2018年、長編映画初監督作『生きてるだけで、愛。』で新藤兼人賞・銀賞を受賞。他にドキュメンタリー映画『太陽の塔』(18)など。杏主演の長編第2作目『かくしごと』(24)が6月7日に公開予定。