忙しくて本が読めない元会社員・アナウンサーが読書インフルエンサーになるまで。「本好きの会」を主催する大島梢絵さんのこだわり
「本好きの会」では小説が人気。その理由は⋯⋯
――読書インフルエンサーとしての活動について教えてください。 梢絵さん:日々の読書記録の発信活動以外には、飲食店で「本好きの会」を設けて2カ月に1回、課題図書を設けてみんなで語り合ったり、本にまつわる話をしています。2023年の1月から始めて、もうすぐ1年半経ちます。 ――「本好きの会」にはだいたい何人くらい集まるのでしょうか。 梢絵さん:15人前後です。男女比はほとんど女性で、男性はいつも3名程度です。年齢層は50代、40代、30代、20代が同じくらいの割合で、ほぼリピーターの方です。最近はリピーターの方の割合が多くなってきたので、 次回の6月末に行う「本好きの会」は、2日間に分けて新しい方も来やすいようにしています。 ――そんなリピーター続出の「本好きの会」の魅力とはどんなところなのでしょうか。 梢絵さん:1冊の本でも、参加者ひとりひとりの視点や目のつけどころが全然違うので、本を通じて自分を見せ合っているような会だと感じられるところですね。そこがみなさん面白いみたいで、好評なのかなと思います。 ――課題図書はどのように選んでいるのでしょうか。 梢絵さん:最初は、本屋大賞の受賞作など話題の本を選んでいて、小説や自己啓発本などいろんなジャンルを選んでいましたが、最近はみなさんの反応を見ながら選ぶと、小説を課題図書にすることが多くなりました。 恋愛小説だと、参加者の方の過去の恋愛経験や価値観があぶり出されますし、男女で意見の違いが露骨にわかったりするので、すごく面白いし盛り上がるんです。 ――小説の方が解釈に幅があるから面白いのでしょうか。 梢絵さん:そうだと思います。 自己啓発本やビジネス本だと「ここがいいよね」という感想の見せ合いで終わってしまうんですが、小説だともっと奥が深く、同じ場面でも50代の人と20代の人、男女でも視点が全然違って、無限に話が広がっていくのが面白いんです。