定年後に月謝2万円の「フラダンス」を始める予定です。年金は月額11万円なのですが、生活できますか?
定年退職を迎えて自由な時間が増えたとき、その時間を趣味に使いたいと考える人もいるでしょう。先日も「定年後に月額11万円の年金収入だけで生活しながら、趣味で月謝2万円のフラダンス教室に通うことはできそうですか?」という相談が、単身者の方からありました。 今回はこの相談を例に、老後の生活費と、趣味にかける支出について考えてみます。
月額11万円の年金だけで生活するのは厳しい
まず老後に、単身者が月額11万円の年金収入だけで、生活していくことはできるのかを考えていきましょう。 総務省統計局の「家計調査年報(令和4年)」によれば、65歳以上の単身無職世帯での1ヶ月当たりの平均収入は13万4915円です。対して、支出(消費支出と非消費支出の合計)は15万5495円となっており、毎月2万円程度の不足が生じています。月額11万円の年金収入だけの場合、不足分は4万5000円程度になります。 また消費支出だけに限れば、1ヶ月の平均は14万3139円となり、そのうち趣味にかけるお金に該当する「教養娯楽」が占める割合は全体の10.1%で、金額にすると1万4000円程度です。 そもそも、月額11万円の年金収入のみでは生活が厳しくなることが予想されるため、趣味の習い事に毎月2万円を使うことは、現実的ではないといえます。 ただし、配偶者や子どもが生計を維持しているケースなど、生活費について今すぐ心配をする必要がない場合は、2万円程度であれば、趣味に回しても大きな問題とはならないでしょう。
フラダンス教室の月謝で2万円は高い?
老後に習い事を始めること自体は悪くはありません。特に単身者の場合は、定年後は人と会う機会や外出の頻度が少なくなることもあり、社会とのつながりを保つだけでなく、体力を維持するための適度な運動としても、老後に始めるには、フラダンスはちょうどいい趣味といえます とはいえ、月額11万円の年金からねん出することを考えると、やはり2万円の月謝は高いといわざるを得ないでしょう。フラダンス教室であれば、5000円から1万円以内の月謝で通える教室も、探せば見つかるはずです。 友人と一緒に通いたいとか、特定の先生に教わりたい、近場にほかに教室がないといった事情があれば別ですが、特にこだわりがなければ、なるべく月謝の安いところを探したほうが、少ない負担で長く通い続けることができます。