横瀬町「武甲温泉」で雷部屋力士が餅つきイベント 宮本荘グループも協力
温泉道場(比企郡ときがわ町)が運営する「秩父湯元 武甲温泉」(横瀬町横瀬)と「温泉と発酵 おふろcafe 白寿の湯」(児玉郡神川町)で12月15日、相撲部屋「雷部屋」の力士を招いた餅つきイベントが開かれる。(秩父経済新聞) 【写真】宮本家12代目当主の宮本一輝さんと女将の愛さん 同イベントのきっかけを作ったのは、秩父地域で宿泊施設「宮本荘グループ」(小鹿野町長留)を経営する宮本一輝さん。一輝さんは2001(平成13)年に初土俵を踏み、前頭「剣武輝希」として活躍した元力士。2012年に引退後、小鹿野町で宮本家12代目当主として宿泊業を継ぎ、力士としての経験を活かした観光事業を展開している。 一輝さんと温泉道場のつながりは2017(平成29)年に始まった。埼玉県主催のセミナーで一輝さんが講演を行い、おもてなしの事例や外国人観光客を意識して施設で取り組んでいることなどを紹介。これを聴講していた温泉道場当時の専務宮本昌樹さん(現在は副社長)が一輝さんに研修を依頼したことをきっかけに、両者の関係が始まった。 温泉道場は研修旅行の一環として同社関係者を宮本の湯に宿泊させ、一輝さんは研修講師を務めた。相撲文化を施設運営に取り入れる具体的なノウハウを共有したり、施設運営について議論を交わしたりした。温泉道場が三重県の「おふろcafe湯守座」の露天風呂をリニューアルする際、一輝さんに「土俵風呂」の監修も依頼したという。 2020年以降、コロナ禍感染拡大の影響で、大相撲関連イベントは中止され、温泉道場で行う相撲関連イベントについても保留となっていた。4月に武甲温泉の運営元が変わり、温泉道場に引き継がれたことを機に再び企画が復活した。 雷部屋の雷親方(元小結「垣添」)は現役時代に一輝さんと同じ部屋に所属していた縁がある。6月には、雷部屋が一輝さんが経営する「秩父ふるさと村」で合宿を行い、その様子を温泉道場の社員が見学した。力士たちが地域の施設を訪問する様子や、地元住民との交流を目にしたことで、温泉道場でも相撲文化を生かしたイベントを再び実施したいという声が上がったという。 今回の餅つきイベントは、一輝さんが提案したもの。「相撲には縁起を大切にする文化がある。力士がついた餅は『力もち』として縁起物とされ、無病息災や邪気退散を祈る意味がある」と話す。「引退後も自分が関わってきた相撲の世界を盛り上げ、大相撲人気の向上に少しでも貢献したい。来年6月にも『秩父ふるさと村』で雷部屋の秩父合宿を行う予定。地域の人に、相撲に興味を持ってもらえるきっかけを作りたい」とも。 当日は、11時~12時に武甲温泉で餅つき大会(餅の購入=300円)とちゃんこの振る舞い(500円)、14時~15時に「白寿の湯」でも同様に開催する。餅とちゃんこの購入客を対象に、写真撮影も行う。 観覧は無料だが、入館料が別途必要。武甲温泉(土曜・日曜・祝日)の入館料は、大人=900円、子ども=500円(2歳以下無料)。白寿の湯(同)は、大人=1,080円、子ども=450円(2歳以下無料)。
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