中高生 外交の現場を体感 ウクライナ大使館訪問 長野県の塩尻JC事業
長野県の塩尻青年会議所(JC、小野光信理事長)は12日、中学生や高校生を対象にした在日ウクライナ大使館(東京都港区)を訪問する日帰りバスツアーを実施した。塩尻市を中心に市内外から18人の生徒が参加し、戦禍が続くウクライナの現状や日本との外交について話を聞いたほか、伝統文化に触れる体験をして異国への理解を深めた。 大使館の三等書記官のインナ・イリナさんが案内し、日本をはじめ多くの人や企業団体から支援を受けている状況を説明した。イリナさんは「毎日毎日、世界の民主主義のために頑張っている。ウクライナのことを忘れないで」と呼び掛けた。フェイクニュースも出回る中で「信頼できるニュースを見て事実を分かってほしい」と語った。 子供たちは、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産である民俗装飾画・ペトリキウカ塗りの体験もした。JCが用意した塩尻の木曽漆器の小皿に、小さなタマネギの形をした「ツィブリカ」やガマズミの実をモチーフにした「カリーナ」の図案を、絵の具で色づけした。 令和4年2月にロシアによる軍事侵攻が始まってから2年半になる。「戦争をやめるにはどうしたらいいか」と考えて参加した松本県ケ丘高校1年生の前村陽太郎さん(15)=松本市空港東=は「文化の継承も大事なことだと思った。ウクライナのことを知ることが平和への第一歩だと思う」と話した。 昼食には、日本ウクライナ友好協会NPO KRAIANY(クラヤヌィ)がチャリティープロジェクトとして開いている都内のカフェで、ウクライナの伝統料理・ボルシチなどを味わった。 塩尻JCの公開事業「大使館へ行こう!―世界に学ぶ外交政治アドベンチャー」として企画された。JCは本年度、青少年育成事業の年間テーマを「政治教育」に活動している。
市民タイムス