女子ゴルフ・桑木志帆、「去年の忘れ物を取りに来ることができた」念願のツアー初優勝、ネットコメントに発奮「私はしっかり打てるんだぞ」
◇30日 女子ゴルフ 資生堂レディスオープン最終日(横浜市、戸塚CC西コース) 首位と1打差の2位から出た桑木志帆(21)=大和ハウス工業=が4バーディー、1ボギーの69で回り、通算11アンダーとして混戦を抜け出し、逆転でツアー初優勝を飾った。首位スタートの堀琴音(28)=ダイセル=は2打差の2位。2週連続優勝を狙った小祝さくら(26)=ニトリ=は4位、アマチュアの荒木優奈(19)は10位だった。 1打差の2位で迎えた最終ラウンドのテーマは「いつも通りのプレーをしよう」だった。桑木は「もう何度も優勝争いをしてきたから。バーディーを取らなきゃという気持ちが焦りにつながる。ガツガツしなくても、安全にいってパットで決めればいいと思ってやっていた」という。昨年5月から前週まで2位と3位が3度ずつ。悔しい体験は無駄ではなかった。 5番で右奥から9メートルのバーディーパットが入った。9番では左奥から13メートルを沈めて大喝采。単独首位に立った。「ネットで『桑木はいつも大事なパットを打ち切れない』ってコメントされているのを見てたから、『私はしっかり打てるんだぞ』と思いながらパットしてた」。後半も12番で6メートルを決めた。 入れようと思って打ったのは最終18番、グリーン左からのアプローチ。「セーフティーにいくと負けると思ったから」と1メートルに寄せ、パーセーブで念願のツアー初Vをつかんだ。 今季から本格的に取り組むトレーニングと使用ギアの研究、チェンジ、調整で「飛距離が伸びたし、疲れにくい体になった。打ちたいショットが打てる」と話す。優勝スピーチでは「去年の忘れ物を取りに来ることができた。初優勝まで長くかかったけど、また2勝目、3勝目と重ねられるように頑張りたい」と宣言した。 グリーン脇で祝福してくれた同学年で未勝利の佐久間朱莉の姿を見て、「朱莉も今日、泣いてくれていた。彼女が悔しい時は私も悔しいし、うれしい時は私もうれしい。これからもいい関係でいたいです」。のぞかせた友情も桑木らしかった。
中日スポーツ