佐藤・鈴木は東日本型、田中・山本は西日本型? NHKが人名バラエティー
地名由来が多い日本の名字
日本の名字で一番多いのは、「地名」に由来するものだという。それも、都道府県や市町村のような大きな単位のものではなく、大字小字のような小さなものからつけたものも多かった。そのために、いろいろなバリエーションの名字が出来た。 それは「家と家を区別するためだった」と森岡氏は説明する。名字が同じ親戚同士では、「大阪のいとこ」「名古屋のおじさん」のように、それぞれが住んでいる場所で区別するのが一般的だろう。昔は親戚はもっと近くに住んでいることが多かったため、「○○の」の地名の部分は、小さな地名が入る。同じ村に同じ名字が集った場合は、その集落で一番偉い支配者の家系だけがその地名を名乗り、それ以外の人たちは、小字のような集落内のさらに小さな地名を名乗った、というわけだ。 また、名字の分布には地域差がある。森岡氏によると、東日本に多いのは「佐藤・鈴木」。「高橋」や、藤原氏の末裔であることが多い「藤」がつく名字の「斎藤」「加藤」なども多い。一方、西日本は「山本・田中」型だという。そのほか、「中村」「吉田」「松本」のような地形に由来した名字が多いのも特徴だ。
企画のきっかけは「コンプレックス」
同番組は、爆笑問題の田中裕二さんと田中みな実アナウンサーの「W田中」がMCを務め、ゲストにタレントや一般人らたくさんの「田中さん」が集い、名字の歴史をひもといていく。出演者に「田中」という名字への思い入れを聞いた。 「シンプルすぎて今まで名字について考えることはほとんどなかった」と話すのは田中アナ。ただ今回の番組で、「田中」のルーツや奥深い歴史を知ることが出来たと語る。田中裕二さんは、「田中」といえば田中角栄元首相を思い浮かべるといい、「でもプロ野球選手には、マー君(田中将大投手)が出るまでは有名な選手があまりいなかった」と野球好きらしく振り返る。そんな田中さんに、相方の太田光さんは「ポピュラーな名字といえば『吉田』で、『吉田』といえば吉田茂元首相。でも番組には出てこない。『吉田』をもっと掘り下げてもよかったのでは」とツッコみ、笑わせていた。 ちなみに、「吉田」は森岡氏作成のランキングによると11位。今回の番組で取り上げた「4大名字(佐藤・鈴木・高橋・田中)」からは、すべて首相が輩出されている。