止まらない円安、電気料金のさらなる値上げリスクに
(ブルームバーグ): 円相場が対ドルで34年ぶりの安値を更新する中、国内の電気料金が押し上げられて家計や企業のコストを圧迫するリスクが膨らんでいる。
資源に乏しい日本は石油や石炭などの化石燃料を海外から輸入しなくてはならない。円安が続くことで、今後数カ月の間に値上がりが予想されていた電気料金の値上げ幅は、さらに広がるリスクが高まっている。
昨年1月に政府が導入した電気・都市ガス料金への補助金制度は、今年の5月使用分までで終わることが決まっている。5月は補助金の額が半減する予定で、コストの増加分は自動的に消費者に転嫁される。
四国電力の東京支社の林剛史副支社長は決算会見で、「燃料費が上がると料金に反映されるので、円安は好ましいものではないと認識している」と話す。
ブルームバーグがブレント原油に連動する契約をもとに計算したところ、ドル建てで出荷される液化天然ガス(LNG)のコストは約18%上昇した一方で、円建てでは約30%の上昇となった。
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Shoko Oda