阪神・才木 天王山初戦とった!巨人と1ゲーム差 7回無失点!菅野に投げ勝ち13勝目 ピンチに才木コール「おぉと」
「阪神1-0巨人」(22日、甲子園球場) 逆転Vへの執念がほとばしった。阪神・才木浩人投手(25)が再三のピンチを切り抜けて7回無失点。粘りの投球で自己最多13勝目を挙げた。首位・巨人との天王山2連戦の初戦を制し、ついに1ゲーム差に接近。もう逃がさない。23日の2戦目も勝利して、一気にアレンパへ突っ走る。 【写真】菅野に投げ勝ち13勝目 天王山初戦勝利に表情も緩んだ ファンの祈りが大声援へとなった。1-0の六回無死満塁。優勝争いから脱落するきっかけとなりかねない絶体絶命の危機で、何度も「頑張れ、頑張れ、才木」コールが湧き起こった。 「おぉと思いながら投げていた。ああいう歓声で(気持ちが)上がるのでピンチを抑えられたのかな」。日本一を達成した昨季終盤のように異常な雰囲気が漂うスタンド。その熱気に背中を押された才木が、飛躍を遂げた今季の真価を見せた。 六回、先頭の浅野に左中間二塁打を許して吉川、岡本和には連続四球。お立ち台では「やべーなと思いながら投げていました(笑)」と振り返ったピンチだった。 ただ、マウンドでは言葉と対照的な強気な攻めを見せた。「試合前から梅野さんとインコースへいける時はいこうと話していた」。巨人とのこれまでの対戦を踏まえて外角勝負ではなく、内角勝負を選択した。 長野は内角高めへの149キロ直球でバットを折って投飛。坂本も内寄りの高めへの148キロで二飛に仕留めた。2死から代打・大城卓を迎えると、スタンドからはこの日一番の「才木コール」。150キロ直球で中飛に仕留め、「内角をしっかり攻め切れた」。満塁では通算15打数1安打。ピンチに強い右腕は感情のまま雄たけびを上げた。 六回以外もしびれる場面ばかりだった。菅野との投げ合いは序盤から何度もピンチを背負った。「ドキドキする場面がたくさんあったので、ふぉふぉーいと思ってました(笑)」。初回無死二塁は浅野のバントを三塁へ送球し、二走・丸を二、三塁間で挟殺。さらに打者走者の浅野も二塁でタッチアウト。「大きかった」と振り返るダブルプレーもあった。 それでも決定打は許さず7回無失点。今季の甲子園は無傷の6連勝。自己最多を更新する13勝目は、逆転Vへ望みをつなぐ価値ある勝利だった。 今季は7月まで9勝。8月も2勝を挙げたが、月間防御率4・13と苦しんだ。プロ入り後、1年間ローテを守るのは今季が初。蓄積した疲労で思うように体が動かない時期もあった。「8月とか特に。バテてるところもあった」。登板の間はもちろん、休日もケアに費やす。ただ「残りは気合と根性で(笑)」と持ち前の明るさは健在。優勝という明確な目標があるから踏ん張れている。 最多勝と最高勝率の2冠の可能性も出てきた。ただ今は優勝しか見ていない。巨人とは1差。「ファンの皆さんの声援が必要なので」。逆転Vへの機運を高めた右腕は最後までスタンドを盛り上げた。 ◆阪神・安藤投手コーチ「内容は良くなかったが、監督が言うように結果なので。(七回まで投げたことは)めちゃくちゃでかかった。助かりました」