天下一品に来た客の注文を予想…バラエティ番組で「ギャンブル企画」が増えている意外すぎる理由
テレビマンの間で『水曜日のダウンタウン』(TBS系)の企画「天下一品に来た客が『こってり』頼むか『あっさり』頼むかギャンブル」(通称:天下一品賭博。’23年11月29日放送)が話題だ。 【画像】やなばすぎる…! 本誌が過去に撮っていた松本人志「一般女性とノリノリ夜遊び」衝撃現場 「タイトル通り、ギャンブル好きで知られる『相席スタート』山添寛(38)ら″クズ芸人″が、天下一品に来た客の注文を予想するという企画です。本命メニューが続いたかと思えば、意外な注文が入るなど、本物のギャンブルのような展開にシビレると好評でした」(テレビ誌編集者) 水ダウのみならず、他番組でもギャンブル企画や演出が増えている。 「『全力!脱力タイムズ』(フジテレビ系)では番組オリジナルの2択ギャンブル企画が放送されました。大阪のIR(統合型リゾート)計画が政府に認定されたこと、ギャンブル好きタレントがブレイクしていることが追い風になっているのでしょう」(放送作家) 「テレビ局の切実な財政状況も影響している」と指摘するのは、広告代理店関係者である。 「パチンコ・パチスロ機のCMは東日本大震災の発生を機に各局、自粛していたのですが、コロナ禍で企業のテレビCM離れが進んだことを受けて’21年4月に解禁されました。コロナ禍で、おうち時間が増加したのも大きかった。 ネット投票ができる公営競技の売り上げが大幅アップしたことで大量にテレビCMを打つようになり、テレビ局にとって大口のスポンサーとなったのです。ギャンブル系スポンサーが入っている番組などを中心に、賭博企画が積極的に採用されるようになっています」 前出の放送作家は「ギャンブル番組の増加で、若者のテレビ離れを食い止められる可能性がある」と期待する。 「『アメトーーク!』(テレビ朝日系)のような、ひな壇にゲストを並べるトーク番組は事前アンケートをキッチリ取るため、話の展開が読みすい。ショート動画に慣れ親しんでいる若者には、結末がなんとなく読めてしまって刺激が足りない。 その点、ギャンブル企画は先が読めず、台本では書けない筋書きのないドラマが展開されるから、若者も飽きずに楽しめる。YouTubeでもギャンブル企画は人気。動画をキッカケに、ギャンブルにのめりこむ若者も少なくないようです」 ただ、平成の時代であれば、『とんねるずの生でダラダラいかせて!!』(日本テレビ系)のように番組内でパチンコや公営ギャンブルの対決を行う企画が許されていたが、現在は「さまざまな制約がある」と前出の広告代理店関係者は言う。 「’00年代に人気を集めた射幸性の高い『パチスロ4号機』の全盛時代、熱中するあまり、子供を車内に放置して死亡させてしまう事故が相次ぎ、パチスロ機の設定やCMに規制が入ることになりました。 ゴールデン帯(夜7~10時)で、視聴者の射幸心を煽る直接的なギャンブル企画を放送するのは現在もNGです。『天下一品賭博』のように、番組オリジナルのギャンブルが増えているのは、規制の中でスリルを演出したい番組側の苦肉の策でしょう。同企画が好評だったので、″オリジナル賭博″企画は今後、増えていくはず」 ドラマに押され、減少し続けるバラエティ番組。この賭けは吉と出るか。 『FRIDAY』2024年1月5・12日号より
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