橋本大輝、王者の思考「けがは強化のチャンス」「道は1本じゃない」…史上3人目の偉業へ
追い風ばかりではなかったことで、むしろ「精神的な成長がすごく大きいのかなって思います」と振り返る東京五輪後の3年間。自信を持って「道は1本じゃない。僕は『こっちがダメならこっち』といろんな選択肢を持っている」と言う。
五輪の男子個人総合で連覇を達成した日本人選手は1968年メキシコ、72年ミュンヘン両大会の加藤沢男と2012年ロンドン、16年リオデジャネイロ両大会の内村航平だけ。3人目となる偉業に向けてパリの地へ乗り込む日は、すぐそこまで近づいている。(大舘司)
[世界のライバル]張博恒 21年選手権V
橋本の王座を脅かせる数少ない存在が張博恒(中国)だ。東京五輪後の2021年世界選手権では2位の橋本を抑えて個人総合を制した。昨年は地元の中国で開催されたアジア大会の出場を優先したため、同時期にあった世界選手権で2人の直接対決は実現しなかった。現世界王者に勝るとも劣らない実力者を水鳥本部長は「チームの大エース。彼がやりきれば日本にとって脅威」と警戒する。
はしもと・だいき 2001年8月7日生まれ。千葉県出身。21年東京五輪で男子個人総合と種目別鉄棒の2冠に輝き、男子団体総合銀メダルにも貢献。23年世界選手権では団体総合でチームを8年ぶりの金メダルに導き、個人総合も制して15年大会まで6連覇の内村航平以来、史上4人目となる連覇を飾った。