【プレビュー】ラスト1枠の熾烈な昇格争い。鹿児島は今治と、富山は八戸とそれぞれ敵地で対決 | Jリーグ
【国内サッカー プレビュー】11月18日から19日にかけて行われる明治安田生命J3リーグ第36節の見どころを紹介していく。 ●【動画】月間MVP 受賞選手(10月)明治安田J3:米澤令衣(鹿児島ユナイテッドFC)
前節は、首位の愛媛FCがFC今治との”伊予決戦”を制し、2位の鹿児島がFC琉球に敗れたことで、愛媛のJ2昇格とJ3優勝の”ダブル”が決まった。一方でもうひと枠の昇格圏争いは、再び混沌としてきている。前述した鹿児島を筆頭に、3位富山、5位FC大阪が敗れ、唯一勝ち点を獲得した4位松本も勝ち点1を伸ばすに留まった。最後のひと枠を懸けた争いは、大混戦が続いてきた今季を象徴するような展開になっていくのか注目ポイントだ。 だが、現状は鹿児島と富山が優位にいる状況は変わらない。このままいけば、もうひと枠をどちらかが掴むことになるだろう。ただお互いに前節を落としている中で迎える今節をどう乗り越えられるか。今節は昇格争いの行方を左右するポイントになり得る。 日曜日の13時にキックオフを迎えるのが今治と鹿児島の一戦だ。 今治は前節、愛媛とのダービーに敗れ、目の前で同県のライバルの昇格と優勝の瞬間を目にするという屈辱的な週末となった。さらにリーグ戦では3連敗と調子を落としており、その間に昇格圏まで勝ち点差が「8」まで広がった。昇格が現実的ではないところまで追い込まれているが、今節勝利すれば、他会場の結果に関わらず、その可能性をつなぎ止めることができる。その意地を見せることができるかが問われる一戦になる。 対する鹿児島は前節、大島康明新体制での2敗目を喫したが、新指揮官のもとで昇格圏へ再浮上し、安定した戦いぶりを見せてきた実績はある。ただ前節は、新体制下では初めてリーグ2位の攻撃陣が無得点に抑えられた。そういった意味でも10月の月間MVPを受賞したFW米澤令衣や藤本憲明ら攻撃陣にかかる期待は大きい。実績も実力もある攻撃陣がもう一度、昇格への気運を高める活躍を見せられるかが今節のカギを握るだろう。 また同じく日曜日、14時にキックオフするのがヴァンラーレ八戸と富山の一戦だ。 勝ち点「49」で11位の八戸は、数字上は3連勝フィニッシュで2位鹿児島と並ぶ可能性を残しているが、ほぼ昇格の可能性は消えている。それでも直近5試合は3勝1分1敗と成績を安定させており、前節は今季最多の4ゴールをマーク。チームとしてもコンスタントにゴールを奪えている点はポジティブだ。前節2ゴールの活躍を見せ、自己最多ゴール数を更新し続けているFW前澤甲気には今節も期待がかかる。 対する富山は前節、第26節以来の無得点に終わり、4試合ぶりの黒星。ただ鹿児島も敗れたことで勝ち点「2」差をキープすることができた。追う立場の富山としては、ここからいかに勝ち続けられるかが勝負となる。ただ右ハムストリングを負傷し、離脱が続いていたFW吉平翼がこの終盤に戻ってこられたことは朗報だ。今季ここまで6ゴールとチーム3番目のゴール数を記録するストライカーがチームを救う存在となれるか注目だ。 その他、土曜日には何とか昇格争いに踏みとどまっている松本山雅FCがホームでY.S.C.C.横浜と対戦する。ラストひと枠を懸けた争いがどう変動していくか、ラスト3試合を迎える今節もJ3から目が離せない。