虐待疑いもAI「保護率39%」……三重の4歳が死亡 児相でのAI活用は? 「判断できる力」に期待、「かえって危険」断念も
■人手不足で…AIに頼りたい自治体も
有働キャスター 「人手不足からAIに頼りたいという動きは、他にもあるのでしょうか?」 小野委員 「あります。愛知・豊橋市は児童虐待の相談の電話がかかってきた場合、どう対応するかというアドバイスを示してくれるようなAIの導入も考えて実証実験をしました」 「すると、過去の事例をデータ入力するのに『いつ』『どんな状況で』『どんな虐待があって』という細かい情報を入れないと精度が上がりませんでした。ただそんな人も時間もなく、単純なデータ入力ではかえって危険、市単独では無理だとして、導入を諦めました」 「それでも複数の自治体の担当者からは『職員は3~4年で人事異動がある。過去の実例を基に判断できる力が欲しい』、『電話相談で的確なアドバイスや解決策を示すサポートをAIに補ってもらいたい』という期待の声も上がっています」
■虐待相談で「AI活用」可能性は?
有働キャスター 「児童相談所でのAI導入は、どうしたらうまく活用できるでしょうか?」 落合陽一・筑波大学准教授(「news zero」パートナー) 「保護率はAIが出した確率ではなく、統計上の率です。電話相談などを生成 AI が入っているLINEチャットでやるなど、対話型のものを使っていくのがポイントだと思います。電話相談などで、効果的にAIを使って子どもの虐待を見抜く方法は今後考えられます」 有働キャスター 「とにもかくにも一番大事なことは、1人でも多くの子どもの命を救うということです。必死で頑張っている職員の皆さんのためにも、人材不足をはじめ根本的な問題も少しでも早く解決してほしいと思います」 (7月11日『news zero』より)