スポクラ不公平設定問題 選手が希望したロス五輪への"最適解"「僕たちとしては分かれてくれたほうが…」
パリ五輪で大きく注目を集めたのはスポーツクライミングにおいての設定問題もあった。 【画像】エアコンなしの質素なデザイン? パリ五輪選手村の全容をチェック パリ五輪の終盤、現地時間8月10日に行われたスポーツクライミング女子複合決勝では、森秋彩(もり・あい)が、「135.1点」で4位となり、惜しくもメダルを逃したシーンだ。 「ボルダー」の第1課題最初のホールドに手が届かず、0点に終わったことが波紋を呼んだ。154センチの森はホールドに対し何度も助走をつけてチャレンジするも、手が届かず落下を繰り返す。結局、制限時間中にのぼることができなかったことで日本のネット上でも意見が噴出した。「出た、森イジメ」「途中で泣きそうになった」「ルートセッターの基準は?」など、出場選手中、最も低身長だった森に関して同情の声が高まった。 英紙「デイリー・メール」では「身長が壁まで届かなかったため、競技を始めることすらできず、ファンは彼女が『いじめられた』と主張している」と問題提起するなど、世界的にも注目を集めた。 森はその後、得意の「リード」で完登目前の圧巻のパフォーマンスを見せ、1位となる「96.1点」と巻返したが、「ボルダー」の得点が響き、惜しくも表彰台に上ることは叶わなかった。今回の課題設定に関してすでに森は「自分の実力」と前を向いて受け止めているが、次回大会のロス五輪に向けて選手間からも競技の実施方法について要望が出ている。 パリ五輪の選手たちの様々な素顔を届けている『TEAM JAPAN』の公式YouTubeチャンネルが28日に新たな更新した動画内では、パリ五輪から帰国直後のスポーツクライミングの選手たちに対しスポーツキャスターの寺川綾さんがインタビューを敢行。 その中で森や野中生萌(のなか・みほう)、同じくインタビューに応じた楢崎智亜(ならさき・ともあ)が次のように語っている。 楢崎は今回のパリ大会を契機に多くの人々が関心を持ったことを感じたとしながら、「クライミングの面白さや素晴らしさが広まっていってほしい」と語った。 さらに「今回は複合種目といってボルダリング、リード種目の2つで競われたんですけど、ロスから、こう、僕たちとしては分かれてくれたほうが、それを専門にしている選手が輝けるので、もっともっと楽しくなるんじゃないかなと思ってます」とコメント。 今回のパリ五輪においては「ボルダー&リード」と複合種目となったが、次回のロス五輪からは「ボルダー」「リード」、それぞれ単種目として競われることを希望したのだ。 実際に種目別となれば、森はリードを本職とし、実際に大会では1位を獲得したことから、メダル獲得への期待はぐっと高まる。 また単種目で競うようになれば、各選手が得意分野で戦うことで、より高いレベルの争いも期待でき、今回の物議をかもすような設定問題解消につながる可能性もある。 果たして正式種目となる次回ロス五輪において、スポーツクライミングはどのような形で実施されるのか。引き続き、注目を集めそうだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]