ランドセルも販売へ ワークマン 子供服の戦略【WBS】
全国およそ1000店舗で作業服やアウトドアウエアなどを販売する「ワークマン」。4年前から女性向けのカジュアル服の販売も始め、売り上げを伸ばしていますが、5日、子供服の市場に本格参入しました。ユニクロやしまむらなどの競合がひしめく市場にどのような戦略で挑むのでしょうか。 子供服を販売する「ワークマンキッズ」が池袋のワークマン女子の店舗の中にオープンしました。耐久はっ水機能がついて、水や汚れを弾いてくれる素材を使ったTシャツは980円。機能性にもこだわり「食べて汚したりもするので安心」(「ワークマン」広報部の伊藤磨耶さん)といいます。 一番人気は「バッグイン ジュニアレインジャケット」で、価格は2900円。背中にチャックがついていて、開けるとマチが広がって、リュックやランドセルを背負ったまま着られるレインウェアです。 「ワークマンキッズ」はこれまでオンライン販売が中心でしたが、今回、店頭に30種類を用意しました。なぜ本格展開に踏み切ったのでしょうか? 「子供用はないのかと聞かれていたので、これならやってみようと」(「ワークマン」の土屋哲雄専務) 4年前に始めた「ワークマン女子」の店に来る子育て世代の女性客からの声があったといいます。 店内で女性客に話を聞くと「値段が安いのにはっ水機能や防水機能があるのでワークマンが好き」「これから保育園とかで何回も使うので汚れてもいい服で(生地が)強いのかな」といいます。
ワークマンの高い機能性と手頃な価格の両立には、ある秘密があります。「ワークマン」で子供服の開発を担当した多賀寛悦さんは「女性衣料と雑貨の開発を担当している。今回は女性衣料を子供服に落とし込む製品開発を行った」と話します。 実は展開するおよそ30種類の子供服全てが、もともと大人用の服を子供用に小さくしたリサイズ商品です。 「こちらはワークマンで人気のはっ水加工のフレアワンピース。それを子供用にリサイズした製品がこちら。大人用のワンピースは1900円。子供用のワンピースは1500円」(多賀さん) ワークマンキッズではデザインや素材をそのまま利用することでコストを抑えているといいます。さらに、親子コーディネートを楽しめることも提案しています。 ワークマンが子供服に本格参入する背景には、ある事情があります。 「作業服も男性用アウトドアも結構飽和になりつつある」(「ワークマン」の土屋専務) 去年12月までの9カ月間の売り上げを商品別に見ると、好調だったアウトドアウェアや作業服の売り上げは0.8%減と踊り場に来ています。一方、レディースウェアは14%以上の増加。そこでワークマン女子の店舗とともに、子供服の展開に力を入れるのです。 さらに、子供服市場に食い込む秘策がランドセルです。 「軍などでも使用されている耐久性が高い生地になっています」(「ワークマン」広報部の伊藤さん) ランドセルには本革ではなく、丈夫なナイロン製の生地を使用。6月からオンラインで販売し、価格は8800円です。売れ筋が5万~6万円する本革のランドセルに対して低価格で勝負を挑みます。 ワークマンは子供服の事業を新たな売り上げの柱に育てる考えです。 「とりあえず今年で数十億円。最終的には200億円を目指す」(「ワークマン」の土屋哲雄専務) ※ワールドビジネスサテライト