【JAIA試乗会】フィアット・ドブロ ATでFFでディーゼル → 最高の車!
だが、そもそもドブロは走りを目的としておらず、家族や仲間や荷物を載せたり、仕事道具を積んだりして、日々の生活や旅行や出張で使う車である。ドブロはそれなりに便利で快適な車だが、商用車として使う場合はともかく、日本で実用車として使う場合には、車内モニターをはじめ装備が充実する日本車との差を気にする人もいるだろう。一般的な日本のユーザーに対しては、トヨタ・ヴォクシーなどはじめから乗用車として開発された車の方がオススメしやすいことは確かである。そこで日本車に勝てる車は世界にない。 だからドブロは、一般ユーザーでなく、車好きにオススメの車である。日本で実用車と趣味車の二台を所有するのは、なかなか経済的なハードルが高い。だがドブロは、実用車でありながら趣味車のような走りの楽しさがあり、家庭生活と趣味生活を円満に両立できるのだ。 ドブロは、同じステランティス・グループのシトロエン・ベルランゴやプジョー・リフターの兄弟車だが、お洒落なシトロエンや颯爽としてスポーティなプジョーに比べると、保健所から引き取ってきた雑種犬のように飾り気がない。しかし、この三兄弟が本来的に持つ骨太で芯の強いキャラクターをもっともストレートに表現しているのはドブロである。 尻尾をふりながら全力で飼い主に尽くす、健康そのものの雑種犬。ドブロはそんな車である。
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