【高校野球】石川・金沢市工が劇的サヨナラで8強入り…前日の想定練習が功を奏す
◆春季高校野球石川県大会 ▽3回戦 金沢市工3-2金沢商(30日・石川県立) 3回戦4試合が行われ、金沢市工は3-2でシード校の金沢商にサヨナラ勝ちを決め、8強入りを果たした。雨が降りしきる中、1点を争う大接戦となったが、2-2の9回1死二塁で、代打の東琉真(3年)が中前適時打を放って劇的勝利。選手たちはベンチから飛び出し、喜びを大爆発させた。昨年12月に就任した杉本旭監督は「最後まで全員が気持ちを切らさず、いつも通りの力を出してくれた。子供たちの目標は優勝ですが、よく8強入りを達成してくれました」と笑顔を浮かべた。 杉本監督が就任し、最も重視してきたことは、公式戦で実力を出し切ること。「練習は本番のように、本番は練習のように」とテーマを掲げ、普段から緊張感を持って取り組んできた。試合前日には、当日のルーチン通りに集合して、全員がそろってウォーミングアップ。フリー打撃をした後、当日の試合を想定したノックを行った。南晶斗主将(3年)は「最終回で自分たちが負けて、追い込まれている設定だった。おかげで、今日は9回に同点に追いつかれても、焦ることなくプレーできました」と振り返った。 この日は184センチ、71キロの長身右腕、川初政宗(2年)が6回2/3を5安打、1失点に抑えると、途中登板したエース右腕、平山巧真(3年)が切れのある投球を披露。劇的勝利で、チームの雰囲気も最高潮だ。準々決勝(5月3日)の相手は、シード校の小松大谷となるが「簡単に打てる相手ではないが、ミスを防いで、最後まで粘りきりたい」と南主将。普段の実力を出し切り、強敵撃破を狙う。(中田 康博)
報知新聞社