【北京＝三塚聖平】中国・上海市の警察当局は1日、同市内のスーパーマーケットで9月30日夜に男が刃物で複数人を切りつける事件が起きたと発表した。3人が死亡し、15人が負傷した。北京の在中国日本大使館によると日本人に被害はなかった。 警察発表によると、事件は上海郊外の松江区で発生した。容疑者の男（37）は現場で取り押さえられた。容疑者は経済的な問題を抱えており、鬱憤を晴らすために上海に来て事件を起こしたという。 中国では不動産不況を背景に経済成長が鈍化して庶民の雇用・所得環境が悪化している。そうした経済状況を背景に、公共の場での無差別な襲撃事件が各地で起きている。 在中国日本大使館は1日、事件を受けて在留邦人に対し、中国各地で刺傷事件が発生しているとして「外出の際は引き続き不審者の接近など周囲の状況にくれぐれも留意し、安全確保に努めるように」と注意を呼び掛けた。 9月18日には広東省深圳市で日本人学校に通う日本人男子児童（10）が、定職を持たない容疑者の男（44）に刺殺される事件が起きた。詳しい動機が明らかになっておらず、在留邦人の間で不安が高まっている。