全日本で5区を走る予定が、右太もも裏の張りで見送りに…… 青山学院大ルーキー・安島莉玖「箱根駅伝は8区を走って2連覇を」
「つらさ100%」だったここまで、同期と切磋琢磨して
大学に入ってここまで半年間を振り返ってどうでしたか。そう聞かれると安島は「つらいことが100%ぐらいでした」と驚きの答えを返した。5000mの自己ベストを更新しているが、「高校の延長で出したタイム」だといい、自分の走りを見失っていたと話す。高校まで実家暮らしで、学校も近く、「楽をして強くなってきた」と言う。 大学に入って初めての寮生活となり、1年生の仕事もあり、ずっと張り詰めた空気の中で過ごす状態が「すごく大変でした」。「楽をして強くなってきた分、すごくいろんなことを徹底している環境に入って、そのギャップが大きかったです」。そんな中でも同期で切磋琢磨(せっさたくま)し合い、夏合宿などのきつい練習を乗り越えてきた。 安島が走れなかった全日本大学駅伝では、同期の折田壮太(1年、須磨学園)が主要区間の3区で駅伝デビューし、区間5位の好走。「重圧もあったと思いますけど、そこに打ち勝ってスタートラインに立ったところが、同期として尊敬できると思います」と同期の健闘をたたえつつ、「次は自分が」という思いはしっかりと持っている。「直前にけがして自信がない中で、しっかり今回はまとめられて、(つらいが100%だったけど)うれしいが2ぐらいはできたかなと思います」と今回の結果で少し自信も持てたと話す。
下田さんのように、優勝を決定づける独走を
安島が箱根駅伝で走りたい区間は復路の8区だという。思わず、往路ではない理由についてたずねると「湘南の広くて長い道路を、富士山をバックにして走ってみたいと思います」というのが、まず1つ目の理由。そして「自分が初めて箱根駅伝を見たのが、(2018年の第94回大会で)青学が4連覇した年なんです。下田(裕太、現・GMOアスリーツ)さんの走りで優勝を決定づけたというのが本当に印象に残っているので、自分も8区を走りたいなという思いがあります」と2つ目の理由を明かした。 このあとは23日にMARCH対抗戦も控える。「そこでしっかり外さないようにして、絶対に合宿メンバーに入って、(箱根のメンバー争いに)絡んでいきたいと思っています。そして箱根駅伝では復路で独走して、しっかり2連覇を決められる走りができるように頑張ります」 箱根駅伝で無類の強さを誇る青山学院大に、また新たな戦力が名乗りを上げた形になった。1月3日、湘南の海を背に走る安島の姿が見られるだろうか。
第19回世田谷246ハーフマラソン
11月10日@駒沢オリンピック公園陸上競技場を発着とする21.0975km 優勝 安島莉玖(青山学院大1年) 1時間02分55秒 2位 平松享祐(青山学院大2年) 1時間02分57秒 3位 中村海斗(青山学院大2年) 1時間02分58秒 4位 佐藤愛斗(青山学院大1年) 1時間03分07秒 5位 本間創(青山学院大2年) 1時間03分11秒 6位 安澤駿空(法政大4年) 1時間03分17秒 7位 小河原陽琉(青山学院大1年)1時間03分21秒 8位 清水郁杜(法政大3年) 1時間03分21秒
藤井みさ