福井の冬の味覚「越前がに」漁獲枠が2年連続拡大…ズワイガニの資源回復受け 11月6日に漁解禁
福井の冬の味覚「越前がに」として知られ、11月6日に漁が解禁されるズワイガニの福井県分の漁獲可能量が、昨シーズン当初と比べ約2割多い541トンに拡大された。ズワイガニの資源回復が進んでいることから、2年連続の増枠となった。 ズワイガニは国が各県の漁獲可能量を設定する。大型船の漁獲可能量を決める日本海ズワイガニ特別委員会が10月1日に神戸市で開かれ、福井は昨シーズン当初比12トン増の247トンが割り当てられた。既に決定していた小型船分を含め、福井県全体では86トン増の541トンとなった。当初ベースでみると過去10年で最多。 県内のズワイガニの漁獲実績は1964年度に千トン超あったが、79年度に210トンまで低下。近年は「漁獲量制限などの資源回復に向けた取り組みが奏功」(県水産課)し、300~400トン台で推移している。昨シーズンは、漁獲状況などに応じて途中で追加配分された70トンを加えた漁獲可能量525トンに対し、漁獲実績は443トンだった。 漁獲可能量が増えても、漁期序盤に大量に取り過ぎるとシーズンを通した安定供給に影響が出る恐れがある。県底曳網漁業協会は「越前がには観光業にとっても重要な資源。1回当たりの水揚げ量や漁獲可能なサイズを決めて、丁寧な操業に努めたい」としている。 越前がにの漁期は雄のズワイが3月20日まで、雌のセイコは12月31日まで。ズボガニ(水ガニ)は2月19日~3月20日。
福井新聞社