「俺は本物の王朝と対峙した」ハーデンが“同期”カリーとの対戦を回顧
ジェームズ・ハーデン(ロサンゼルス・クリッパーズ)とステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)は、同じポジション、そして同じNBAドラフトの2009年組として数々の死闘を繰り広げてきた。 【動画】ハーデンとカリーがハワイでかわした熱い抱擁 直近のゲームでは、クリッパーズがウォリアーズを下しているものの、カリーは足首を負傷し離脱。しかし、それまではスコアリングガードとして互いのスキルと経験がぶつかり合い、グッドゲームを繰り広げてくれた。 ハーデンは試合後、カリーとの対戦、とりわけ自身が絶対的エースを務めたヒューストン・ロケッツ時代のマッチアップを以下のように振り返っている。 「あっという間の出来事だった。ロケッツが絶頂期を迎え、あの王朝と対峙したのは紛れもなく現実のことだ。俺は本物の王朝と対戦しなければならなかった。特別なことだね。俺は彼(カリー)がキャリアで成し遂げたことにとにかく興奮しているし、誇らしいことだと感じている。これは、俺たちが歳を重ね、引退したときに語れる物語のひとつだね」 2009年のドラフトは、2003年にも負けじと劣らない豊作だった。このときのドラフト1位指名は、今年4月に引退を表明した稀代のダンク王であるブレイク・グリフィン(元ロサンゼルス・クリッパーズほか)であり、5位指名にリッキー・ルビオ(元ミネソタ・ティンバーウルブズほか)、9位指名にデマー・デローザン(サクラメント・キングス)、17位にドリュー・ホリデー(ボストン・セルティックス)とタレント揃い。2巡目以降にもパトリック・ベバリー(ハポエル・テルアビブBC)や、パティ・ミルズ(ユタ・ジャズ)がおり、振り返ると数々の名ガードを輩出した1年だった。 10度のオールスターであるハーデンのロケッツ時代は、水を得た魚のように得点を量産。在籍後半の2018年から2020年には3年連続で得点王に輝いており、2017年にはアシスト王、2018年にはシーズンMVPを獲得し、確固たる名声を築き上げた。 しかし、ハーデンがどんなにオンコートで爆発し、新記録を樹立しても、ウェスタン・カンファレンスに築かれた王朝の牙城が崩れることはなかった。2014-15シーズンと2017-18シーズンのカンファレンスファイナルを筆頭に、ウォリアーズはハーデン率いるロケッツを4度も退けてきた。 一方で、カリーもまたハーデンには最大限の敬意を払っている。今年6月にPodcast番組『Heat Check』に出演した際には、レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)やケビン・デュラント(フェニックス・サンズ)と並び、現役トップ5の1人にハーデンの名前を挙げている。 オールスターゲームでも交流があり、今年ハワイで開催されたプレシーズンゲーム中にも熱い抱擁と言葉を交わすシーンが見受けられたハーデンとカリー。引退後、2人が膝を突き合わせて、3ポイントの極意とアウトサイド主体のバスケットボールについて意見を交わす日が今から待ち遠しい。 文=Meiji
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