30代、夫婦2人「月30万円の生活費」…インフレが進んだ20年後の衝撃結果【FPがシミュレーション】
投資を始めたはいいもの、具体的に資産がいくら増えるのか、よくわかっていない人も多いのではないでしょうか。とくに、複利の計算は複雑なので、Excelで計算し、将来のシミュレーションをしておきましょう。本記事では、Excelを使った試算シミュレーションシートの作り方をFP1級の川淵ゆかり氏が解説します。 【早見表】年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
〈シミュレーション〉複利運用でいくらまで増やせるか?
投資を始める人が増えてきました。今回は、老後資金つくりなど、まとまったお金を将来いくらまで増やせるかを試算するシートをExcelで作る方法を説明します。 単利と複利の違い 単利は計算式で表すと「元本×利率」です。毎回同じ元本をもとに計算しますので、利子は定額となります。たとえば、元本100万円で利率が2%だと、毎回2万円の利子となります。 これに対し、複利は前回付いた利子も含めて利子を計算します。まさに、「利子が利子を産む」状態で増えていきます。しかし、せっかく複利の商品を利用しても、期間が短かったり利率が低かったりすると、効果は単利とあまり変わりません。
複利の計算式
複利は高い金利で運用期間が長ければ長いほど、雪だるま式に資産がふえていきます。ですから、計算式も単利に比べるとちょっと複雑です。ちなみに単利の計算式は、元本×利率×年数で算出します。 複利の計算式は、元本×(1+利率) で計算します。複雑なので、Excelに計算式を打ちこんで、自動計算させましょう。 1.まず、次のようにExcel のシートに打ち込みます。 2.次に複利計算の元になる値を入力します。 今回は100万円を10年間、年2%で複利運用した結果を求めるものとし、100、10、2%と必ず半角(日本語入力OFF)で3ヵ所に入力します。 3.最後に計算式を入力しましょう。 なお、Excel でべき乗計算は^(ハット記号)を使います。^の記号は、キーボードの右上にあります(「へ」のような記号です)。作成する複利計算の式は、次のようになります。それぞれのセルの場所を確認しておきましょう。 計算式とセルの場所が確認できたら、結果を出したい位置に計算式を入力していきます。 今回はC8のセルに次のように計算式を入力しましょう。 ※すべて半角(日本語入力OFF)で入力してください。 ※乗算の記号は*(アスタリスク)になります。 Enterキーの押下などで、計算結果が表示されます。小数点以下の桁数はお好みで調整してください。 「手順2」の複利計算のもとになる数字(3つの値)を入れ替えることで、いろいろとシミュレーションすることができます。たとえば、500万円を年3%複利で20年間運用すると次のような結果になります。 入力した計算式だけは変更しないようにご注意ください。なお、計算結果には税金は考慮していません。タイトルや見出しなどは、ご自身で使いやすいように変更してみましょう。なお、べき乗計算は、POWER関数を使っても計算できます。関数の使える人は、実践してみてください。 また、プログラミング言語やデータベースの処理言語でも次のように関数が用意されています。 ・Java……Math.powメソッド ・C言語……pow関数 ・Python……pow関数 ・SQL……POWER関数 など いまはプログラムが作れる人が増えてきましたので、プログラムの作れる人は、得意の言語でプログラミングしてみてください。
インフレ計算を行う
なお、この計算式はインフレの計算でも使えます。たとえば、30代夫婦2人暮らし、毎月の生活費が30万円の場合、毎年2%ずつ上昇したら、20年後にいくら必要になるかを計算してみましょう。さきほど作成したシートの3つの値を次のように変更してみます。 約1.5倍になるのがわかりますね。インフレも複利計算で進んでいくのです。怖いですね。 今回は、資産運用やインフレ計算のための複利計算をExcelで行う方法をご紹介しました。あくまでも目安の数字になりますが、マネープランに是非お役立てください。 川淵 ゆかり 川淵ゆかり事務所 代表
【関連記事】
- 年金25万円・実家の両親が要介護、長男は引きこもり、貯蓄も使い果たし…50代長女に助けを求めるも「ごめん、私も余裕ない」
- 年金月4万5,000円の70歳・独身男性「もう、生きていけない」の悲惨…役所に助けを求めるも、担当者にいわれた冷酷なひと言
- 「親が亡くなったら、真っ先にコンビニへ走る」が新常識!相続手続きで困らないためにやるべき、たった一つのこと【税理士が解説】
- そうだな、200万円くらい引き出して→銀行員「残念ですが、対応できません」…親に甘えて生きてきた〈年金月6万円〉67歳・男性の末路【FPが警告】
- 月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」