【三田友梨佳さん(37)】「アナウンサー失格」と落ち込んだ時に救われた言葉とは|STORY
アナウンサー失格だと落ち込んだ時に救われた言葉とは
ーーアナウンサーの仕事を実際にしてみてどうでしたか? アナウンサーの仕事は想像以上に体力勝負でした。今は働き方改革もあって私が入社した頃とは違う環境だとは思いますが、当時は朝も昼も夜も関係なく働いていました。寝る時間も惜しんで働いていましたが、それがすごく楽しかったですし、大きく成長させてくれたなと思っています。一番大変だったのはお昼の情報番組「直撃LIVEグッディ!」とその後は報道番「LiveNews α」のMCを務めたのですが、番組の方針として私なりのニュースに対する考えを発信することが求められて。最初は何を話せばいいのかわからなくてすごく抵抗がありました。最初の2時間の生放送で一言も発することができなくて、何も話せない時は「私はアナウンサーとして失格だ」とか「なんのためにここにいるんだろう」と落ち込み続けていました。でもスポーツのフィギュアスケートの中継の時に、自分が好きな分野でもあるし、ずっと取材を積み重ねていたこともあって話しやすくて、熱を込めて伝えたら、当時一緒に共演していた安藤優子さんから「今日の放送すごくよかったわよ、あなたの思いがすごく伝わった」とメールをいただいて。自分では「たくさん噛んでしまった」と思っていたのですが、その時自分で見たもの、感じたものを言葉で伝えるというのはこういうことなのかと気がつきました。 スポーツだけではなく、いろんなことに対して積み重ねていけばいいんだと気持ちを切り替えられたきっかけになったんです。自分なりに勉強を積み重ねて中学生や高校生の時に公民の授業で習った裁判の仕組みとか選挙の仕組みとかイチから勉強しなおしました。休みの日にはニュースの現場に足を運んだり、そういう小さいことで、すぐに結果が出るものばかりではないのですが、その積み重ねがあって数年たって自分の考えがまとまってきました。入社6~7年目くらいまではがむしゃらでしたね。でもその経験があって自信につながりました。 だんだん視聴者さんからお手紙をいただくことが増えて、「気持ちがふさぎ込んだ時に三田さんが言ってくれてすごくほっとしました」とか、「辛かった時にああいう風に言ってくれてすごく救われました」とか直接会った時に涙を流しながら言ってくださる方もいて、そんな時にアナウンサーになってよかったなと思いました。言葉は使い方を間違えれば時に刃にもなりうるのですが、たったひとつの言葉でも誰かを優しく包み込むものになれると実感しました。言葉の力で誰かの支えになれるというのが私にとってアナウンサーとしての一番のやりがいです。 衣装協力:ジャンプスーツ ¥217,800(エンポリオ アルマーニ)パールフローティングピアス¥160,600 (Hirotaka 表参道ヒルズ) パンプス¥125,400(Christian Louboutin) 撮影/浜村菜月 ヘア・メーク/chiSa スタイリスト/杉山朱美 取材/山崎智子